今年も着実な補強を実現!鈴木大地のFA移籍に加えて牧田和久のサプライズ加入を分析

今年もFA移籍で盛り上がりを見せているプロ野球のオフシーズン。
今季は我らが楽天イーグルスからも美馬学投手がFA宣言をして千葉ロッテへの移籍が決定しました。
他ではソフトバンクホークスの福田選手と千葉ロッテの鈴木大地選手がそれぞれFA宣言。
福田選手はこちらもロッテへの移籍が決まり、そして鈴木大地選手は楽天イーグルスへの移籍が決定しました。

今日は鈴木大地選手の入団会見もあり、タイミングが良かったので加入による来季の戦力分析をしていきたいと考えていました。
ところが昨日、メジャーリーグに渡っていた牧田和久投手も楽天イーグルスに加入することが発表されました。牧田投手に関してはほとんど情報も出ていなかったので石井一久GMを中心に水面下で交渉が進んでいたことと推測されます。

いずれにしても、今年のオフシーズンも着実に補強が実現している印象があり、石井GMの手腕や人間関係を改めて評価します。

こうした背景も踏まえて来季の戦力分析を考えていきたいと思います。

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鈴木大地選手の楽天でのポジション

一部ファンの間では「これだけ内野が充実しているのに鈴木大地をどこで使うのか?」という『鈴木大地不要論』もあるようです。
しかし私は鈴木大地選手の加入は大きな意味があり、評価に値すると考えています。

まず第一に、鈴木大地選手といえばユーティリティープレイヤーとして知られています。
内野であればどこでも守れるというだけでも素晴らしいことですが、外野としての出場も可能。
これを逆手にとって「スーパーサブ」的な扱いを懸念しているファンもいるようですが、私は鈴木大地選手の楽天でのポジションは、ずばり三塁手だと考えています。

三塁手はご存知の通り高い守備力と肩力が必要です。
2019シーズン(以下、今シーズン)の楽天イーグルスは主にウィーラー選手が81試合に出場。次いで茂木栄五郎選手が48試合、以下渡邉佳明30試合、藤田一也21試合、今江年晶14試合となりました。

この数字を見ても分かるようにレギュラーはウィーラーと言えますが、失策率が12%を記録しており、課題があります。
ウィーラーの場合、ある程度守備をしながらの方が打撃のリズムも作りやすい傾向にもあるので完全に指名打者とするのは打撃に影響が出るかもしれませんが、年齢的なことを考えても指名打者、あるいはベンチ待機させて代打の切り札という役割でも魅力的です。

一方、鈴木大地選手は今シーズン、ロッテで内野の全ポジションで出場
それぞれのポジションで役割が異なるのは承知していますが、それでもシーズン内野で142試合に出場して失策はわずかに2。失策率1.4%という安定した守備をしています。

つまり鈴木大地選手が三塁手に入ることで銀次、浅村、茂木、鈴木大地という内野陣を固めることができ、守備力が向上することが期待できます。

また、今シーズンがそうだったように、上記の内野陣でフル稼働できた銀次、浅村、茂木もシーズン終盤には疲労が見えたのも事実です。
結果として銀次は一塁手で134試合、浅村は二塁手で136試合、茂木は遊撃手で122試合の出場となっています。

その代わりとして一塁手なら和田恋、二塁手は藤田や山崎剛、遊撃手は村林、藤田らが途中出場や指名打者に入った浅村の代わりなどで出場してきました。
この穴を鈴木大地の加入が埋められるのは物凄く大きいことです。

もちろんポジション争いがあるのは事実で、ウィーラーも守備に就くことを希望しているかもしれませんし、和田恋、山崎剛、内田、村林といった若手も控えているので簡単では無いでしょう。

とはいえ、実績を考えれば鈴木大地が三塁手に入ることによる内野陣の厚みが増すのは言うまでもありません。
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シーズンを通してフル稼働できる強み

若干話は変わりますが、今シーズン西武ライオンズがリーグ優勝、2連覇を果たした要因の1つに「レギュラー選手がシーズンを通して出場し続けたこと」が挙げられると考えています。

レギュラー選手の出場試合数をまとめてみました。(★はフル出場)
森 友哉:135
外崎 修汰:143★
源田 壮亮:135
山川 穂高:143★
中村 剛也:135
金子 侑司:133
木村 文紀:130
秋山 翔吾:143★

これぞ「レギュラー」と言える素晴らしい記録です。シーズン中に好不調の波があるのは当然ですが、そもそもシーズンを通して出場し続けることができる選手であれば自然と一定の成績も付いていきます。こうした主力選手の活躍、言い換えれば「主力選手が離脱しない」ことがチームの成績に直結するのは言うまでもありません。

そういった意味で、今シーズンの楽天イーグルスでシーズンフル出場をしたのは浅村栄斗選手のみでした。
130試合以上出場した野手も茂木(141試合)、銀次(141試合)、島内(133試合)の3選手に留まっています。

逆に言えば上記4選手や新加入ブラッシュ選手(128試合)の出場と活躍があったからこそ1年でAクラス入りを果たすことが出来たとも言えるのではないでしょうか。

どのチームにも言えることですが、レギュラー選手がシーズンを通して出場し続けることができれば、どのチームも上位争いが出来るだけの戦力があることは間違いないと考えています。しかし、長いシーズンを戦えば怪我や不振などで離脱せざるを得ないことも起こります。
それで苦労したのが昨シーズンの楽天イーグルスですし、今シーズンのソフトバンクホークスでした。

前置きが長くなりましたが、今回楽天イーグルスに加入した鈴木大地選手は2012年に千葉ロッテに入団後、2年目の2013年から2019年までほぼフル出場を果たしています。
今シーズンこそ140試合でしたが、2015年の142試合を除いて5度もシーズンフル出場をしています。
これだけ試合に出続けることができるのは、もちろん鈴木大地選手の能力の高さもありますし、加えて身体の強さ、大きな怪我をしない安定感の賜物です。

こうした実績のある選手が加入することで安定感が増すことは容易に想像できるでしょう。
もちろん実際にシーズンが始まると何が起こるかは分かりませんが、少なくともこれまでの実績を見る限り効果的な補強であることは間違いありません。

選手層を厚くしてこそ若手の育成強化が可能

また少し話が飛びますが、今オフでは高卒2年目の西巻賢二内野手が退団しました。
当初は育成契約を打診したそうですが本人がこれを断ったようで、結果的に千葉ロッテに移籍となりました。
このニュースから一部ファンの間では「育成を諦めた」「育成放棄」といった批判が出ています。

以前にも書いたことがありますが、私は「球団の育成放棄」という意見は全くの見当違い、反対の立場です。
そもそも育成を重視していない球団など無いですし、楽天イーグルスも着実に育成を強化しています。
むしろ育成強化したいからこそ、若手選手を伸び伸びとプレーさせるために即戦力となる選手を獲得するのです。

随分と昔の話になってしまいますが、楽天イーグルスが初めてドラフト会議に参加した2004年に入団した一場靖弘投手をご存知でしょうか。
昔からのファンの方でしたらご存知と思いますが、明治大学から入団した期待の右腕でした。
球団の方針としてはじっくりと育成したかったのが本音です。大卒投手は即戦力と言えますが、それでも数年掛かる選手もいます。
しかし、当時の楽天イーグルスはまさに創設間もないチームで戦力は圧倒的に足りていませんでした。
結果として一場投手も即戦力としてローテーション入りする「しかありません」でした。

出場機会があること自体は良いことかもしれませんが、結果的に初年度は2勝9敗防御率5.56と苦しみました。翌年は更に登板数も増え30試合に先発して7勝をマークするも14敗と大きく負け越し。3年目に6勝2敗と初めて勝ち越しましたが、その後は怪我などもあって不振。
2009年にヤクルトに移籍するも結果を残せず、プロ野球を去りました。

「たら」「れば」が無いことは承知の上ですが、もし一場投手がもっとじっくりと育成できる環境だったら、と思います。

こうした苦い経験は楽天イーグルスにおいて着実に根付いていると考えています。このような事態を避け、安定して強いチームを目指すためにも即戦力は必要です。

例えば、今シーズン主に守備固めで出場した村林選手。

守備力は高く打撃が課題という感じですが、何よりまだ22歳と若い。そんな村林選手が今シーズンのような守備固めをメインに使われ続ければ、それこそ出場機会に恵まれないですし、現実的にアピールするプレー自体が制限されてしまいます。
とはいえ、チーム事情を考えれば茂木やウィーラーの後に村林、という守備交代は頷ける采配です。

ここに鈴木大地選手が入ることで、村林選手はたとえ二軍に落ちたとしても二軍でフル出場できる可能性が上がります。
二軍とはいえ、レギュラーとしてシーズンを通して、もっと言えば1試合通して出場し続けることが出来ればアピールできる機会も増えますし、何より経験を積むことが出来ます。

他にも山崎剛、内田靖人、渡邊佳明といった若手をじっくりと育成できます。

もちろん、育成中だからといって一軍をないがしろにするのではなく、むしろ一軍は一軍で強くなっていきます。
これこそ石井GMが目指す球団作りであり、そのために必要な選手を着実に揃えていると感じます。

どこが「育成放棄」なのか、納得のできる説明をしてもらいたいものです。

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来季のスタメン・ポジション予想

毎年、オフシーズンの楽しみと言えば来季のスタメン予想です。
まだ戦力が全て確定したわけでは無いかもしれませんが、おおよそは固まったと考えられます。
そこで私の独断でスタメンおよび戦力の予想をしていきます。

楽天イーグルス2020スタメン予想

楽天イーグルスの2020スタメン予想をします。開幕戦を想定しました。

1(遊)茂木
2(左)島内
3(二)浅村
4(指)ブラッシュ
5(一)銀次
6(右)田中和基
7(三)鈴木大地
8(中)辰己
9(捕)足立
先発投手:則本昂大

則本昂大投手を開幕投手と予想して、捕手は足立選手にしました。捕手に関しては来シーズンも太田光、堀内、足立の3選手での争いに山下斐紹、岡島豪郎が入ってこられるか、という構図を予想します。

内野は昨シーズンのレギュラーに加えて三塁手は鈴木大地選手をスタメンに起用。
外野は不動の島内宏明選手を中心に今シーズン活躍した辰己涼介選手、そして復活を誓う田中和基選手を起用。
ウィーラー、藤田一也、渡辺直人といったベテラン勢を代打の切り札という役割で期待します。

打順は今シーズンお馴染みとなりつつあった1~5番に加えて、6番からでも出塁、得点を期待します。
特に7番は結構重要だと考えていて、今シーズンも西武ライオンズが一時山川選手を7番にしたこともありました。
そういった意味で、7番に鈴木大地選手が入ることは相手チームからしても嫌な存在になると考えました。

楽天イーグルス2020主な戦力

スタメン以外の主な戦力図です。

先発ローテーション:則本昂→岸→辛島→塩見→石橋→弓削

1~4番手は不動の先発投手陣でガッチリ固め、後ろは今シーズン活躍した石橋と完封勝利を飾った弓削に期待します。
美馬学投手がロッテに移籍しましたが若手の台頭があれば全く問題なし。むしろ不安定な時もあったので個人的にはあまり好きではありませんでした。

今シーズンの反省を踏まえて1~4番手の先発主力陣から離脱者が出た場合、福井・藤平・安樂に期待します。
特に藤平、安樂辺りにはそろそろ出てきてもらいたいところですね。。。

中継ぎ陣:近藤・津留崎・青山・ブセニッツ・宋家豪・高梨・森原・松井裕樹

若手、中堅、ベテランがバランス良く揃っている中継ぎ陣は来シーズンも盤石と言えそうな戦力です。
ルーキーの津留崎投手は本格派右腕でストレートの力強さと切れの良い変化球がどこまで通用するか期待しています。
ここに加えて小野郁、菅原、久保といった投手らが控えています。

来シーズン最も期待する選手

最後は個人的に来シーズン期待する選手を一軍、二軍でそれぞれ発表します。

まず一軍では田中和基選手です。
ご存知の通り2018年に新人王を獲得しましたが、今シーズンは怪我もあって苦しみました。
来シーズンはもう一度ゼロからのスタートとなります。
そして今シーズン、その穴を埋めたのが辰己涼介選手と言えます。現時点では辰己選手の方がリードしているとも言えますので、レギュラー争い、もっと言えば外野の中心であるセンター争いを繰り広げながらチームの底上げをして欲しいところです。

二軍では岩見雅紀選手に期待します。
シーズン終盤は二軍でも出場機会が減ることもありましたが、そろそろ二軍でレギュラーを掴まないとチャンスはありません。
西巻選手が退団したように、決して安心することはできませんので、まさに来シーズンは勝負の年。
和田恋、内田靖人選手らと競い、是非ともまずは二軍で本塁打、打点の二冠を目指して欲しいです。

牧田和久投手のサプライズ加入

本来はここまでと思っていましたが、牧田和久投手の加入があったのでもう少し書かせてもらいます。

牧田投手と言えば独特のアンダースローと緩急を武器に西武ライオンズで活躍した投手。偶然ですが牧田投手も珍しいユーティリティプレイヤーで、先発から中継ぎ、抑えまで一通りの役割をこなしてきました。

2018年にメジャーリーグへ移籍しましたが思ったような結果を残せず、日本球界復帰の可能性が上がっていましたが、まさか楽天イーグルスに入団するとは驚きました。

年齢的にどこまでやれるのか未知数な部分もありますが、一部ファンの間では「楽天イーグルスの西武ライオンズ化」を揶揄する意見が増えています。
これに関しては事実と言えば事実ですが、そういった意見を言う前に「なぜ西武ライオンズに戻らなかったのか」「なぜ西武ライオンズから主力選手が抜けてしまうのか」を考えなければいけません。そういった自分たちの事実を棚に上げて楽天イーグルスの批判をするのは残念です。

それはさておき、牧田投手の加入も投手陣の厚みになることは間違いありません。
今シーズン、中継ぎ陣はフル稼働でした。
特に守護神・松井裕樹投手(68試合出場)を筆頭に、森原(64試合)、青山(62試合)、ブセニッツ(54試合)、ハーマン(50試合)、宋家豪・高梨雄平(48試合)と勝ち試合を支えてきました。

中でもハーマン投手が来シーズン退団の可能性もあるだけに、ここに牧田投手が入ることで戦力ダウンを防ぐことが出来そうです。
また、彼自身の経験がチーム内で活きる効果も期待できます。

今シーズン、浅村栄斗選手が加入したことで数字的な成績はもちろん、目に見えない相乗効果、存在価値がありました。
牧田投手も日本代表に選ばれた経験がある一流プレイヤーですので、若手投手への影響を中心に目に見えない効果も期待が出来ます。

最後に

オフシーズンの移籍情報、特にFA移籍に関しては残念ながらまだまだ一部ファンの心無い発信が見受けられます。
要するに「金で移籍した」とか「元いた球団に恩も何も無いのか」といった意見です。

こうした意見に関してここで多くは語りませんが、決めるのは選手本人ですし、何より本当の闘いはシーズンが始まってからです。

いくら戦力を揃えたところで、勝たなくては何の意味もありません。
逆に勝てばファンは嬉しいですし選手たちのモチベーションにもなります。

「弱くていい」なんて球団はどこにもないですし、やるからには勝つことを目指すのが当たり前です。

楽天イーグルスは、古くは「弱小球団」「寄せ集め集団」というレッテルが貼られ、その印象やイメージが強いのかもしれません。
しかし、2013年には初のリーグ優勝、日本一に輝きました。確かにこの年は田中将大投手の神がかり的な成績もありましたが、その後も2回Aクラス入りしています。

その他の年が最下位や5位に低迷といった順位なので安定感がないのは事実ですが、その安定感を増すことこそ、これからの楽天イーグルスの可能性、期待値だと考えています。

今シーズン3位に入ったことを皮切りに、毎シーズンAクラス争いの常連となり、もっと言えば優勝争いをするだけの期待が持てる体制ができつつあります。

これはファンとして本当に喜ばしいことです。
考えてみれば、浅村栄斗選手や鈴木大地選手といった他球団の主力選手がFA移籍で楽天イーグルスを選んでくれているという事実も嬉しいことです。

それだけ金銭面以外の目に見えない価値や魅力を感じているからこそだと考えています。

私たちも、こうした目に見えない価値観や魅力を大事にしていきたいものです。

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イーグルスファン通信【編集長】

イーグルスファン通信【編集長】

2006年の野村克也監督時代からのイーグルスファン。本格的に応援し始めたのは2016年頃から。関東拠点のため1軍の現地観戦はZOZOマリン、メットライフがメイン。交流戦でのハマスタ、神宮、東京ドームは外せない。 イーグルスファンならではのコンテンツを心掛けて執筆しています。

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