祝!田中和基が新人王受賞&両エースも投手賞受賞

日本プロ野球界でシーズンを通して活躍した選手たちの表彰を行なう「NPB AWARDS」が27日、都内ホテルで行なわれた。
楽天イーグルスは2018シーズン(以下、今シーズン)最下位に沈んだが、個人成績ではエース岸孝之をはじめ注目選手の活躍もあった。
中でも最大の注目を集めていたのがパ・リーグ新人王。選手生活の中でも一度しかチャンスの無い貴重なタイトルである。
そのパ・リーグ新人王に、田中和基が輝いた。
その他にも、最優秀防御率岸孝之投手、最多奪三振則本昂大投手が受賞し、楽天イーグルスにとって二枚看板といえる両エースがタイトルを獲得した。

また、2軍のイースタン・リーグでは小野郁が20セーブを挙げて最多セーブ投手を獲得、選考による最優秀選手賞として西巻賢二がそれぞれ受賞した。

最優秀防御率:岸孝之


今シーズンの岸はチームが最下位に低迷する中、孤軍奮闘でチームを支え続けた。
最終成績は11勝4敗、防御率2.72で最優秀防御率を獲得した。
自身初のタイトルであるとともに、今シーズンはこちらも自身初となるゴールデングラブ賞も獲得。
苦しいチーム状況の中でエースとしての存在感を見せつけてくれたシーズンになった。

加えて勝率.733、4完投(うち1完封)という素晴らしい成績を残した今シーズンは本人も語っていたように調子の浮き沈みがほとんど無かった印象。
スラッとしたしなやかな身体から繰り出される力強いストレートと、切れのある変化球、そして何よりも緻密なコントロールで打者を翻弄し続けた。
特に今シーズンはストレートに力があり、外角低めにズバッと決まる見逃し三振には何度も鳥肌が立った。
オフシーズンには自身初の日本代表にも選出。東京五輪も見据えている。

今シーズンは中継ぎ、抑えが安定せず、松井裕樹の不振や福山、森原らの離脱など決して後ろが盤石とは言えなかったが、岸が投げる試合はきっちりと8回前後まで投げ抜き、まさにエースと言えるパフォーマンスをシーズン通して発揮し続けた。

来シーズンも安定したパフォーマンスを見せてくれれば、打線の援護1つで15勝、あるいは20勝まで手が届いても何ら不思議のない選手である。
新戦力の候補として岩隈や金子千尋の獲得も囁かれており、もし加入することになれば更なる厚みを増すだろう。

最多奪三振:則本昂大


自身5年連続5度目となる最多奪三振を獲得した則本昂大。
最終成績は10勝11敗、防御率3.69、187三振を奪って受賞となった。
最大の持ち味である三振を今シーズンも量産し、プロ入り2年目から5年連続で獲得している、まさに「ミスター奪三振」と言える則本。
とはいえ、今シーズンはプロ入り3年目以来となる負け越しとなり、防御率もパ・リーグワースト2位になるなど、安定はしていなかった。
187奪三振もパ・リーグではトップだったものの、過去4年間ではいずれも200奪三振を超える記録を残していただけに、決して満足のいくものではなかっただろう。

本人も「今シーズンはふがいなかった」と漏らしており、来シーズンに懸ける思いも人一倍であろう。
シーズンを通してみれば岸の方が安定感があり、特に今シーズンは点を取ってもらった後に取られるシーンが目立った。
勝利数も二桁には到達したが、雨で中止となって日程調整があったから実現できた成績であり、紙一重だった。

来シーズンは絶対的エースに戻ることができるかどうか。
先発陣では古川が台頭してきており、藤平や近藤、安樂といった若手もローテーション入りを狙っている。
チーム全体でレベルアップをはかり、盤石の先発ローテーションを組んでもらいたい。

新人王:田中和基


球団としては田中将大、則本昂大に続く3人目、野手としては球団史上初の新人王を獲得した田中和基。
最終成績は105試合に出場し、打率.265(423-112)、18本塁打、45打点、21盗塁と高い水準をマークした。
その飛躍は、もはや説明不要の領域まで達していると言っても過言ではない。

プロ入り2年目だが、昨シーズンの出場試合数の兼ね合いで今シーズンも新人王の資格を有していた田中和基。
開幕一軍入りを果たすも、不振で一時二軍生活もあった今シーズン。
それでも5月に一軍復帰すると、その後はレギュラーを明け渡すことなく、今オフには自身初の日本代表にも選出された。

もともと足の速さに定評があり、走塁と守備はレギュラークラスだった田中和基。
プロ野球界の中でも貴重なスイッチヒッターであり、打撃面の課題が残っていたが、試合(打席数)を重ねるごとに成長し、今シーズンは両打席本塁打もマークするなど、打撃が飛躍的に向上した。

3割、30本、30盗塁のいわゆるトリプルスリーを達成できるだけの能力は持っている選手ではないだろうか。

一方で、本人の中では成績と裏腹に相当な危機感もあるようで、特に外野手は島内を筆頭にオコエ瑠偉、岩見雅紀、橋本到といった若手がしのぎを削る。
成績だけ見れば田中和基が頭一つ抜けた印象はあるが、プロ入り3年目となる来シーズンに真価が問われそうだ。

まとめ

冒頭にも書いたように、今シーズンはチームとして最下位に沈んだ一方、個人成績では受賞者を着実に輩出した事実もある。
もともと個々のレベルは高い水準にあると思っていて、あとはチームとして噛み合うか否かに掛かっているのではないだろうか。

FAで浅村栄斗の獲得に成功し、岩隈、金子千尋といった実力派の投手を獲得する動きもある。
しかし、結局のところは既存の戦力で投打を噛み合わせ、「打って守れる」チームになることが上位に食い込むかどうかのポイント。
今回の受賞は成績による確実性のあるタイトルに加えて、選考という形で田中和基と西巻賢二もタイトルを受賞した。

ベテラン、中堅、若手が融合し、強いチームになってほしい。

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