今江敏晃新監督誕生!期待する采配と選手起用 「ボビー式」採用はあるか?

3シーズン監督を務めた石井一久氏の退任が決まった我らが東北楽天ゴールデンイーグルス。

後任の新監督として、本日、2023年10月17日に今江敏晃一軍打撃コーチの監督就任が正式発表されました!
第10代目・今江敏晃新監督の誕生です。

野手出身の監督は田尾安志、野村克也、ブラウン、大久保博元、梨田昌孝、平石洋介、三木肇に続く8人目となります。
※敬称略

同時に渡辺直人氏が一軍ヘッドコーチに就任、三木肇二軍監督の続投も発表されました。

報道によれば後任監督選定は時間がなかったようなので、内部昇格が既定路線だった模様。
とはいえ久しぶりの監督交代ということもあり、期待は高まるばかりです。

今回は今江敏晃新監督の経歴や人物像をはじめ、来シーズンに期待する監督としての采配と選手起用を考えていきます。

今江敏晃監督とは?

1983年8月・京都出身
PL学園から千葉ロッテマリーンズへ入団して14シーズンプレー。
2005年にはボビー・バレンタイン監督のもとリーグ優勝・日本一も経験。
日本シリーズMVP選出のほか、ゴールデングラブ賞やベストナイン(三塁)も獲得。
第1回WBCにも選出され、日本の優勝に貢献しました。

2015年オフにFA権を行使、イーグルスと契約合意して入団。
球団としては中村紀洋氏に続く2例目のFA移籍加入選手となりました。
2019年オフに現役引退、2020年からイーグルスのコーチに就任しています。

現在の監督としては12球団で最年少となります。

今シーズン途中から一軍打撃コーチ

イーグルスでは2020年育成コーチ、2021年二軍打撃コーチ、2022年育成内野守備走塁コーチ、2023年二軍打撃コーチという経歴を経て、今シーズン途中から一軍打撃コーチに昇格。

開幕から低迷したチーム打率や打点など、打線のテコ入れをすべく取られた措置でした。

一軍打撃コーチ昇格の効果もあってか、チーム打率や得点力は徐々に上向き
開幕当初はリーグ最下位だった打撃成績を3位まで押し上げました

試合中はベンチの最前線に立って選手を鼓舞したり、ネクストにいる選手へ耳打ちするシーンが見られるなど、ファンにも見える形で貢献。
中でも「教え子」といえる村林一輝選手が今シーズン途中からレギュラーを獲得すると、最後までその座を譲らず。
もともと守備と走塁は良かった選手が、いよいよ打撃でも活躍。

今江敏晃コーチの教えが功を奏したといえるでしょう。
バットにグリップを巻くところや、打った後のバットの投げ方は、まさに今江敏晃氏の現役時代を彷彿とさせます。

期待される采配・選手起用

イーグルスで3年間コーチを務めているため、現在の若手選手の状況はよく把握しているでしょう。
今シーズン途中から一軍ベンチにも入っているので、レギュラークラスの状況も把握できています。

そういった意味で、指導者経験・チーム内連携・選手との信頼関係といった多方面において、石井一久前監督よりも大いに期待できます

唯一の懸念は監督として采配経験がないことですが、それは石井一久前監督も同じでした。
今シーズンは広島東洋カープ・新井貴浩新監督が1年目から2位に押し上げる明るいニュースもあります。

リーグ優勝はセ・パともに経験豊富な監督ですが、まずもってAクラス入りを目指すチーム状況としては、十分だと考えています。

期待する采配

四球・バント・盗塁から
「確実に1点を取る」野球

攻撃面での采配として期待したいのは、ずばり、四球やバント、盗塁から「確実に1点を取りに行く」野球です。

近年は盗塁数がリーグ最下位など少なかったイーグルスですが、西川遥輝選手の加入もあってか飛躍的に伸び、今シーズンはリーグ1位に輝きました。
個人としても小深田大翔選手が盗塁王を獲得。
足を使った攻撃は来シーズンも続けて欲しいところです。

さらに125犠打、490四球、出塁率.321はいずれもリーグトップ
つまり今シーズンの打線はリーグトップクラスの出塁でチャンスメークはできていたのです。

しかし、108併殺打は痛恨のリーグワースト
今シーズンは1イニング2併殺打という不名誉な珍プレーもありましたが、とにかく多かった。
チャンスで凡退する球場のため息も多かった印象です。

せっかくチャンスを作ろうという姿勢があるのに点が入らない。
この悪循環は是非とも断ち切って欲しいところです。

そのためには最低でも犠牲フライ。得点圏で勝負できる気持ちの強さと技術など、まさに今江敏晃氏の現役時代を彷彿とさせる勝負強いバッティングが期待されます。

そのために必要な采配は是非ともベンチから後押しして欲しいところです。

期待する選手起用

若手主体!
野手はスタメン固定
投手は忖度なし

自身が二軍や若手を中心に育成してきた経験からも、ぜひ若手を積極的に起用して欲しいです。

一時期は浅村栄斗、鈴木大地、西川遥輝、田中将大といった実績あるビッグネームを次々に補強してきました。
もちろん今後も補強は必要ですが、やはり近年優勝するチーム(オリックス・阪神・ヤクルト)を見ると根本にはチーム内での育成が必要不可欠
特にオリックスの投手陣は、軒並みドラフト1位で単独指名した選手が活躍しています。

この辺りはスカウト力も必要なので監督ひとりの力では難しいものの、経験しないことには成長しません。
イーグルスは長年「生え抜きの育成が下手くそ」と言われています。
確かに、と思う反面、今シーズンで見れば投打にわたって若手も出てきました。

自身がコーチとして見てきた「目利き」で選手起用を判断して欲しいところ。
今シーズンの村林一輝選手のような選手がどんどん出てきて欲しいです。

打線に関して言えば、石井一久前監督はコロコロ打線を組み替えていました。
今江敏晃新監督には打線やスタメンをなるべく変えず、我慢して欲しいところ。

そういった意味では、経験不足による失敗や敗戦はある程度、覚悟します。
中長期的に考えれば必要なことです。

むしろ今シーズン終盤のようにベテランや中堅を起用して負けるくらいなら、よっぽどいいでしょう。

投手陣は自身が野手出身とあって触れづらい部分とは思いますが、是非とも忖度なしでお願いしたい。
特に岸孝之・田中将大・則本昂大の3投手はチーム内での存在感も大きいため、扱いも難しいでしょう。
岸孝之投手は問題ないと思いますが、厳しい結果が続く田中将大投手の扱いは要注意
年齢も近いので、馴れ合いや忖度だけは勘弁して欲しいです。

野手同様、若手を積極的に起用してもらい、今シーズン活躍した荘司康誠、渡辺翔太、内星龍らに続く投手陣の育成が期待されます。

とはいえ投手陣の方が戦力的に厳しい状況のため、補強も必要。
この点は石井一久シニアディレクターの助言も求めていいでしょう。

永井投手コーチも年齢が近いので、いい意味で連携して欲しいですね。

ボビー式採用の可能性

最後に、自身が現役時代に影響を受けたと考えられるボビー・バレンタイン氏の采配について。
チームをリーグ優勝・日本一へ導いた手腕を自身の采配に活かすかどうかも注目です。

「ボビー式」と言われる采配は主に下記が挙げられます。

  • 管理野球を廃止
  • 選手の自主性を尊重
  • 自身もトレーニングしながら選手とコミュニケーション
  • 対戦相手とのデータを綿密に調べて相性の良い選手を起用
  • 上記に伴いスタメン出場選手は毎試合変更
  • 大胆な若手選手の先発起用
  • ほぼ全ポジションに複数選手を起用
  • シーズン中でも適度に休養を与える

※いずれも各種メディア記事や元選手の言動から抜粋

すでに、いくつかの取り組みは今シーズンのイーグルスでも該当する部分もあります。
また当時の千葉ロッテマリーンズの戦力やパ・リーグの構図と、現在のイーグルスの戦力とリーグの構図は全く異なりますので、一概にすべてやればいいわけでもありません。

とはいえ、自身が現役時代に結果を出した監督であることは間違いないので、多かれ少なかれ、参考にする要素はあるかもしれません。

今後も今江敏晃新監督の言動・行動・選手起用などに注目していきたいですね。

頑張れ、ゴリ監督!!

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