33失点 6連敗 借金8・5位で苦しむチーム浮上のカギは?

今日(2024年5月28日)からペナントレースはセ・パ交流戦に入っていきます。
我らが東北楽天ゴールデンイーグルスは45試合を消化して18勝26敗1分の5位と苦戦しています。
ある意味、戦前の予想通りともいえますが、ここまで大型連敗せず踏ん張っていたチームが6連敗を喫したのは厳しい状況です。

特に先週、5月21日・22日のホークス2連戦では合計33-0という歴史的、屈辱的な大敗を喫しました。
そこから6連敗となってしまい、何とか交流戦前最後の試合で勝利。

借金は8と膨らんでいますが、浮上のカギとなる要素もありそうです。

現状の成績

まずは成績(数字)から整理していきましょう。
※いずれも2024年5月26日終了時点
※カッコ内はパ・リーグ内順位

45試合18勝26敗1分
勝率.409(5位)

今季初の6連敗を喫してしまい、借金が増えてしまいました。
それ以上に苦戦しているライオンズがいることで最下位は免れていますが、明日は我が身。
ただ今シーズンは王者バファローズも苦戦しており、1ゲーム差の4位にいるので、ここは十分に射程圏内です。

とはいえ、Aクラスはホークスが独走、4.5ゲーム差でファイターズ、そこから0.5ゲーム差でマリーンズが続いています。
3位と4位が6ゲーム差開いているため、よほど大型連勝や大型連敗が無い限り、AクラスとBクラスはハッキリ分かれてしまいそうです。

打撃成績

打率.236(5)/141得点(4)/
14本塁打(6)/31盗塁(3)

打率が低く、本塁打が少ない割に一定の得点は取れています。
近年、チーム盗塁数が増加しており、今シーズンも上位水準となっているだけに四球などで出塁した選手が盗塁してチャンスを広げる、といった攻撃パターンは上手くいっていると考えられます。

チーム打率.236も2位バファローズが.244なので、大きな差があるとは言えません。
本塁打の少なさは寂しいですが、リーグ2位の23本塁打を放っているライオンズが最下位ということを考えれば、あまり気にしなくていいようにも思います。

投手・守備成績

防御率4.07(6)/197失点(6)/
124四球(2)/10死球(2)/
21失策(2)

課題の投手陣、特に先発投手の炎上は全く改善できておらず、前述のホークス2連戦の影響もあって防御率と失点は目も当てられない状況です。
とはいえ、失策数と四死球はリーグ2位の少なさなので、ただただ打たれている状況。

課題の先発陣は更に悪化

前述の通り、課題の先発投手陣は改善するどころか、さらに悪化。

問題発言のあった早川隆久投手が太田光捕手とのバッテリーで勝利したのは一安心。
3勝3敗 防御率2.89と先発投手陣の中では唯一の防御率2点台で気を吐いています。

戦力的にはドラフト1位ルーキー古謝樹投手がデビューして6回2失点と試合を作ったのは朗報です。

一方で、2年目の飛躍が期待された荘司康誠投手が体調不良での登板回避から状態を上げられず、1勝4敗 防御率7.36と苦戦。
先発転向した内星龍投手は援護なく敗戦した日もありますが、1勝4敗 防御率3.70と安定感には欠けています。
新戦力のポンセ投手は好投と炎上を繰り返しており、ホークス戦での大炎上もあって3勝3敗も防御率7.05と散々。
頼れるベテラン岸孝之投手も本来の実力を考えれば、2勝4敗 防御率3.28は物足りない状況。

田中将大投手はオープン戦での登板以来、相当に慎重な調整が続いているため、目途が立ちません。

気を吐く勝利の方程式

先発投手が試合を作れないと中継ぎ陣の負担も大きくなります。

一方で、何とか勝ちパターンに持ち込めば酒居知史・宋家豪・則本昂大は勝利の方程式となっています。

宋家豪投手

19登板12H 防御率1.53

酒居知史投手

15登板12H 防御率2.63

そしてセーブシチュエーションになれば登板できるのが新守護神

則本昂大投手

16登板10S(3H)防御率1.13

と素晴らしい成績を残しています。

まさしく勝利の方程式は完成しているだけに、勿体ない。

打線も思考錯誤しながら

もともと打線は一定の成績を残していたので、先発が試合を作れば何とかなる、という状況でした。
しかし、ホークス2連戦で大敗した際は2試合続けて無得点に終わるなど、打線の援護、頑張りも陰りが見えてきました。

これだけ先発投手が序盤で大量失点してしまうと、そこから巻き返そうというのは難しいのも理解できます。
とはいえ、主軸の島内宏明と浅村栄斗が物足りない状況。

イーグルスに限らず、やはりチームの主軸・主砲が打たないとチームとして浮上するのは難しい。

スタメン起用、打順、二軍との入れ替えなど今江敏晃監督も試行錯誤されているようですが、全体的に「判断の早さ・タイミング」という観点では、石井一久前監督よりも大いに評価できます。

ようやく島内宏明を登録抹消

直近で動いたのは不振が続く島内宏明選手。
40試合出場のうち、多くの割合を指名打者として起用されていましたが、131打数28安打/打率.214/0本塁打/12打点と低迷。
交流戦を前に登録抹消の判断を下しました。

詳細は以下のポストでも記載していますので、ご覧ください。

物足りない浅村栄斗

今シーズンから野手キャプテンに就任した浅村栄斗選手。
投手キャプテン則本昂大投手が活躍している中で、物足りない状況です。

45試合フル出場が続いているのは素晴らしいですが、163打数37安打/打率.227/4本塁打/24打点は本来の実力を考えればもう一つ。
今季サードに転向したのは本来、守備の負担を減らして打撃に集中するため。
その前提条件も踏まえると、ここまでは機能していると言えません。

とはいえ「守備から打撃のリズムを作る」タイプだと自身も話していただけに、ずっと指名打者で起用するのも現実的ではなさそう。
今更セカンドに戻すこともできず、もうしばらく我慢するしかなさそうです。

今江監督の悩みも尽きません。

フル出場が続く頼もしい存在

一方で、小郷裕哉選手・辰己涼介選手・村林一輝選手の活躍は将来も含めて大きな希望になっています。

小郷裕哉選手

45試合182打数49安打 .269
2本塁打10打点13盗塁

49安打はホークスの近藤健介54安打に続き、柳田と並ぶリーグ2位に立っています。

辰己涼介選手

45試合157打数45安打 .287
1本塁打15打点4盗塁

小郷に続くリーグ上位の安打を放っています。

村林一輝選手

45試合177打数45安打 .254
1本塁打13打点1盗塁

一時は激化したショートのレギュラー争いを勝ち抜いてガッチリと掴み、バッティングでも結果を残しています。

さらにフル出場こそならず、直近はやや打撃不振気味ですが、

小深田大翔選手

43試合143打数33安打 .231
0本塁打7打点12盗塁

昨シーズン盗塁王を獲得した実力は発揮しており、今シーズンの獲得も期待されます。

太田光・石原彪の2名体制

当初、課題だった捕手事情も石原彪捕手の活躍によって安定感が出てきました。

石原彪捕手

30試合64打数15安打 .234
3本塁打10打点
17捕殺 2捕逸 守備率1.000

太田光捕手

27試合54打数10安打 .185
0本塁打8打点
11捕殺 0捕逸 守備率.993

高卒8年目の石原が頭角を現し、太田光と正捕手争いを繰り広げています。
先発投手によって起用が分かれるところもあるので、この辺りはバランスよく回っているのではないでしょうか。

指名打者で得点力アップを

交流戦に入ると本拠地・仙台なら指名打者が起用できます。
現状、指名打者が島内でほとんど機能していなかったことを考えると、アウェー(セ・リーグ本拠地)の指名打者なしでもマイナスになるとは考えられません。
ここ数年のイーグルス野手陣は複数ポジションを守れることも強みになっているので、様々な起用が期待できます。

一方で、一般的に守備に課題があっても長打が期待できる、そんな強打者を置けるのが指名打者のメリット。
現状でいえば二軍調整が続いているマイケル・フランコ選手。
あるいは勝負強い伊藤裕季也選手。
浅村栄斗選手もそうですし、阿部寿樹選手も長打が期待できます。

そしてチームの雰囲気を変える、という意味では安田悠馬捕手にも期待が持てるところです。

捕手での育成方針も状況は変わった

2021年ドラフト2位・プロ3年目を迎える安田悠馬捕手。
昨シーズンは一軍で53試合に出場するも、正直なところ「中途半端」な起用だったと感じます。
先発マスクを被ったのは田中将大投手の先発時がほとんどで、幅広い経験ができたとは言えません。

今シーズンはキャンプの段階から今江監督が「捕手として守備を徹底的に鍛える」とコメントしています。
その言葉通り、キャンプからオープン戦、そしてシーズンが開幕しても捕手での起用が大半となっています。
当初の方針通り、捕手として様々な投手のボールを受け、試合の中で経験を積んでいます。

私は首脳陣の方針を当初から賛成しており、チームの将来を考えれば重要だと考えています。

一方で、安田悠馬といえば長打力が魅力。
ファームでは46試合153打数45安打 打率.294/4本塁打/26打点/長打率.418とバッティングは好調です。
多くの試合を捕手として出場していることも考えれば、一定の成績は残しているといえるでしょう。

当初、捕手として一軍に上がってくるのはまだまだ先だと思っていましたが、前述の通り石原彪捕手の台頭があります。
つまり捕手としてではなく、指名打者あるいは一塁手として一軍昇格させる判断があってもいいと考えています。

その目的で一軍昇格するなら捕手として守備を鍛えるのは一旦ストップしますが、それはそれで方針がブレているとは思いません。
なぜなら状況が変わったからです。

捕手が足りず急仕上げ、急造の捕手起用になるのは反対ですが、打者として期待するなら話は別
繰り返しますが、石原彪捕手の台頭が大きな要因・好材料となっています。

この辺りはポジティブに捉えて、打者・安田悠馬に期待してみてもいいかもしれません。

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