2018シーズンを終えての総括

昨日、10月13日の千葉ロッテ戦が終了し、2018年シーズンの全日程を終了した楽天イーグルス。
最終成績は58勝82敗3分(勝率.414)の最下位に終わった。
改めて、2018シーズンのパ・リーグ順位表をおさらいしておこう。

順位チーム
1埼玉西武ライオンズ88532-優勝
2福岡ソフトバンクホークス826016.56.5
3北海道日本ハムファイターズ7466313.57
4オリックス・バファローズ6573521.58
5千葉ロッテマリーンズ5981328.57
6東北楽天ゴールデンイーグルス5882329.51

今シーズンは昨シーズンの3位から巻き返しを図るべく、3年目の梨田政権のもとにスタートした。
イーグルスファンの誰もがAクラス争いを前提に優勝争いまで行けるのではないかと期待。プロ野球解説者の多くも楽天イーグルスが上位に食い込むことを予想していたが、結果的には予想に反することとなった。

今シーズンの総括をしながら、収穫、反省、そして来シーズンへの期待をまとめていきたい。
また、今シーズンのチーム成績表を掲載し、この数字も見ながら分析していくことにしたい。

順位チーム得点失点本塁打打率防御率
1埼玉西武ライオンズ792653196.2734.24
2福岡ソフトバンクホークス685579202.2663.90
3北海道日本ハムファイターズ589586140.2513.77
4オリックス・バファローズ538565108.2443.69
5千葉ロッテマリーンズ53462878.2474.04
6東北楽天ゴールデンイーグルス520583132.2413.78

2018年シーズンの収穫

最も急成長した選手

大きな収穫はシーズン後半で若手選手を多く起用できたことでしょう。
特にシーズン前半からレギュラーの座に定着した田中和基選手の活躍は改めて書くまでもないでしょう。
シーズン後半でやや打撃不振となり打率こそ2割6分台(.265)まで落としたものの、本塁打はチーム2位の18本、更に20盗塁を超える21盗塁でプロ入り2年目のシーズンを終えた。
球団史上初の野手による新人王獲得も十分にあり得る成績で、まさにブレイクした一年だったと言えるでしょう。
本人も本拠地最終戦後のコメントで「シーズンを通して出場できた」ことが収穫だったと話しているように、やはりプロ野球の長いレギュラーシーズンに対して出場し続け、その中でコンディションを調整していく難しさ、あるいはそれを経験できたことは貴重なものと言える。

嶋に続く捕手の育成

ソフトバンクから移籍した山下斐紹捕手のプロ入り初本塁打(サヨナラ本塁打)は印象的だったが、もちろんマスクを被っても若手らしい気迫のこもったリードは目を見張るものがあった。
同じく捕手では堀内謙伍捕手もエース則本とバッテリーを組んで経験を積むことが出来た。更に打撃、走塁の能力も高い。
いよいよ足立は戦力外でもおかしくない状況と言えよう。
嶋に続く捕手が育つことはチームにとって重要で、どのチームも名捕手がいる時代にチームも強くなるものだ。

内野手の出場機会

内野手に関しては西巻賢二選手、山崎剛選手の両ルーキーが出場機会を得た。
二人に共通して言えることは、ルーキーとは思えない堂々とした立ち振る舞い。
特に西巻は高卒ルーキーであるものの、プロに入って顔つきが明らかに変わったと感じる。
山崎剛は大学時代にヒットを量産していたヒットメーカーで、その実力はプロでも通用する片りんを見せた。
是非、来シーズンはフル出場とまではいかなくとも、常に1軍帯同して出場機会を増やして欲しい。
他では村林も出場機会を得たが、如何せん打てない。また、守備でも致命的なミスを犯していて、当分はファームもしくは守備固め要員か。

一方、まだまだ若手と言える茂木栄五郎選手の動向が気になるところ。
昨年から怪我の影響でスタメン落ちやファーム調整を送る日々が目立っており、出場しても良い時の思い切ったスイングが出来ていない。
スローイングにも不安があり、二塁手へのコンバートも囁かれている。
とにかく、まずは怪我をしっかりと治してもらい、万全な状態で戻ってきて欲しい。

外野のレギュラー争いは来シーズンもし烈か

冒頭にも挙げたように、田中和基選手がセンターでレギュラーをものにした。
また島内選手も一時期は戦線離脱したこともあったが、終わってみれば打率2割8分台まで持っていったのだから流石。
3人中2人はしっかりと固定することが出来たのは収穫と言えるでしょう。
とはいえ、田中和基に関しては決して安心することは出来ないだろうから、残る1~2枠をめぐるレギュラー争いは来シーズンもし烈になりそう。
チームとして競争が起きること自体が非常に重要なことで、オコエ瑠偉、岩見雅紀といった若手も加わりたい。

リーグ防御率3位の投手陣は誇ってよい

今シーズンの投手陣はチーム全体として見れば優秀だったと言えるでしょう。
冒頭に掲載したチーム成績表を見ても分かる通り、チーム防御率はパ・リーグ3位(3.78)で、2位の日本ハムが3.77だから、ほぼ2位に近い。
エース則本投手が例年に比べて苦戦したが、岸孝之投手が自身初の最優秀防御率を獲得したように安定したピッチングを見せてくれた。
中継ぎ陣も松井裕樹を除けば大崩れした印象は少ない。その松井裕樹の不振に代わって守護神となったハーマン投手の活躍も目立った。シーズン途中から守護神に回って18セーブを挙げ、防御率1.99はお見事。
今シーズンは福山投手が戻ってこれなかったが、ベテラン青山浩二投手が復活。
26ホールドを挙げて防御率1.85。これは40登板以上したシーズンでは2010年に41登板して防御率1.72だった年に続き、50登板以上したシーズンとしては自己最高をマークした。素晴らしい。青山の復活で中継ぎ陣のバランスは保たれたと言えるでしょう。
昨シーズンは秘密兵器的な存在だった右の宋家豪投手は40登板して防御率1.73。左の高梨雄平投手も堅実で、チーム最多の70登板を果たした。
投手陣の活躍が無ければ、もっとゲーム差が離れて負け越しが増えていただろう。

2018年シーズンの反省

とにかく打てなかった

冒頭に掲載したチーム成績表を見て分かるように、最大の反省点は攻撃面、野手陣にあると言って過言ではないだろう。
とにかく打てなかった。

逆に言えば、リーグ優勝した西武ライオンズはチーム防御率、失点がワースト1位。しかし、それを上回る圧倒的な攻撃力で優勝した。
極論だが、投手陣が多少機能しなくとも、打ち勝つことが出来れば優勝まで出来ることを示したことになる。

昨シーズンが超攻撃野球でAクラス入りしたことを考えると、まず1番茂木・2番ペゲーロが機能しなかったことが痛い。
茂木は怪我もあって思うようなバッティングができず、ペゲーロは2年目の今シーズン徹底的にマークされた。
シーズン途中にはウィーラーが骨折で戦線離脱、チーム本塁打トップのアマダーもトラブルで離脱となり、昨シーズンの得点の源と言える3外国人選手が思うような活躍ができずに終わった。
ベテランの今江選手が4番に座って例年以上の活躍を見せたものの、チームの浮上までは至らなかった。

チーム本塁打はパ・リーグ4位で、3位の日本ハムとも8本差だから、満足ではないが決して少なくはない。
しかし、得点が圧倒的に少なかった。
つまり、ランナーを溜めた場面での一発やタイムリーが出ておらず、結果として得点力不足に苦しんだことは数字を見れば明らか。

恐らくはドラフト、FA、新外国人の補強ポイントは野手になってくると予想される。

若い投手の育成を

投手陣は前述の通り、シーズンを通してそれぞれが役割を果たし、チーム全体としては概ね満足のいくものだっただろう。
強いて言えば、ここ数年で獲得している若い投手がもう一皮むけて欲しい。
ドラフト1位で獲得した近藤、藤平、安樂投手をはじめ、池田、森原、菅原、西口投手らが先発・中継ぎ陣に安定して加わることが出来れば、投手陣の層はかなり厚くなると言える。
どの投手も出場機会に恵まれたとは言えないが、それでも持ち味を発揮できた試合、出来なかった試合があった。
来シーズンはシーズンを通して先発であれ中継ぎであれ登板数を増やし、誰が我先にと先発ローテーション、あるいは中継ぎの一角を担うようになるか、競争して欲しい。

2019年シーズンへの期待

野手には得点力を

とにかく打てなかった2018年シーズン。
特にタイムリーが少なかった印象にある。せっかく走者を出しても返すことが出来ない。そんな歯がゆいシーンが何度もあった。
本塁打も重要だが、それ以上に走者をためて確実にホームへ返す、基本的な戦術が重要ではないだろうか。
そこで、現戦力を前提として私が勝手に期待するオーダーを組んでみた。

1(中)田中和基
2(遊)茂木
3(左)島内
4(指)ウィーラー
5(三)今江(内田)
6(一)銀次
7(二)山崎剛
8(捕)山下・堀内(嶋)
9(右)オコエ瑠偉

リードオフマンは田中和基で変わりない。出塁すれば盗塁もできて、茂木のバッティングにも繋がる。
上手く行けば恐怖の1・2番と言われた時の再現も可能で、二人とも長打が打てる。
もちろん小技も可能で、相手にとって嫌な立ち上がりになるのではないだろうか。

クリーンアップは中堅どころを起用し、どんなバッティングでもいいからランナーを返して欲しい。
島内~銀次まで、本来の技術的にはもっと打点を稼いでおかしくない選手ばかりである。
強いて言えば、若手の一角として内田選手には本塁打を期待。これまでのアマダーやペゲーロのような役割でいいかもしれない。

また、ソフトバンクのように下位打線でもチャンスメーク、あるいは点が取れるチームは強い。
山崎剛は能力的に1番打者でもおかしくないため、下位打線の先頭というイメージ。
捕手は思い切って若手2人を競わせるようなイメージで起用し、リードはもちろんだが打撃でもチャンスメークして欲しい。嶋は重要な試合でマスクを被る。
ラストバッターにも1、2番に入れるようなオコエ瑠偉が食い込めれば、9番から再び1番に回すことも可能。

もちろん、ドラフトやFA、新外国人次第で選手の加入もあるだろうが、現戦力でも十分に巻き返しができるだけの戦力はあると考えている。

最大のカギは若手の台頭

投手陣は反省のところでも書いたように、直近のドラフトで指名した若手投手がどれだけ出てこられるかが鍵でしょう。

そこに岸、則本、美馬、辛島、塩見投手といった経験豊富な先発陣が引っ張り、青山、福山、高梨、宋家豪、ハーマン、松井裕樹らがブルペンを支える形が変わらずに継続できれば来シーズンも投手陣に特段の不安はないだろう。

若手投手の台頭がチーム全体の選手層を厚くすることになるのは間違いない。
もちろん、主力選手がケガや不調で離脱する可能性もあるので、そういったチャンスも含めて全体的なレベルアップに期待したい。

まとめ・来シーズンの順位予想

2018年シーズンは予想以上に期待を裏切る結果に終わってしまったことは事実。しかし、それが功を奏してシーズン後半は若手を積極的に起用できたことも大きい。
やはり、上位争いや優勝争いをしている中で若手を起用するのはリスクが伴うが、かえって上位争いが絶望的になってからの切り替えは良かった。
チームは若い監督が指揮官となり、フロントやコーチ陣も変わるだろう。
FAやトレード、そして注目のドラフト会議など新戦力の補強も楽しみではあるが、現戦力でも十分に上位争いできるだけの力は持っているはず。

来シーズン、2019年シーズンの楽天イーグルスは3位と予想したい。
もちろん、それ以上の結果を求めるのは当然だが、現実的にまずはAクラス入りを。
そして短期決戦になれば日本シリーズ進出の可能性もあり得るだけに、まずはAクラス争いから。

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