OP戦優勝からの首位発進!好スタートの4月を振り返る

球団史上初のオープン戦優勝を果たして開幕した2022シーズン。
オープン戦優勝チームがレギュラーシーズンに必ずしも直結はしないと分析しましたが、今季のイーグルスは勢いそのままに4月を首位で終了。
理想的なスタートダッシュを決めました。

チーム成績や活躍した選手の成績などをみながら振り返り、今後の期待と課題もまとめてみたいと思います。

※各データは2022年5月5日終了時点のため一部5月の成績を含みます

2022年4月チーム成績

まずは主要な各種チーム成績と内容をみていきましょう。
※カッコ内はリーグ順位

チーム勝敗

20勝6敗1分.769(1位)

https://npb.jp/bis/2022/leagues/index_pl.html

投打がかみ合っている

5月5日時点ですがパ・リーグで20勝一番乗り。
27試合目での20勝到達は2017年以来、最速タイだそうです。

過去の記事でも何度か書いてきましたが、イーグルスは投打がかみ合えば強いチーム。
それだけの戦力は揃っている状況にきていると考えています。

その中で、今シーズンはまさしく投打がかみ合う試合が多く、それだけ勝てているといえるのではないでしょうか。

チーム打撃成績

打率.244(2)/出塁率.330(2)/218安打(4)/111四球(1)/21本塁打(3)/112打点(2)/26盗塁(2)/21併殺(2タイ)

https://npb.jp/bis/2022/stats/tmb_p.html

繋がる打線と課題だった盗塁が増加

チーム打率はホークスに次ぐリーグ2位。

安打数こそリーグ4位ですが、四球がリーグ1位。
出塁率が高く、出塁率リーグ3位の日ハムが.276なので差を付けています。

そして打点がリーグ2位なのを考えると、ヒットまたは四球で走者を出し、その走者をしっかりと返して得点にしていることが分かります。

本塁打数はリーグ3位とまずまず。
とにかく打線が繋がっているのは好材料といえますね。

また長年の課題だった盗塁数がリーグトップのロッテに次いで2位と飛躍的に増加しています。
トップのロッテが35盗塁と流石ですが、近年ひどく盗塁数が少ないチームだっただけに、現時点では課題が克服されているといえるでしょう。

チーム投手成績

2.59(3)/33HP(3)/10S(2タイ)/202被安打(1)/18被本塁打(3)/64四球(1)/199奪三振(6)/74失点(1)

https://npb.jp/bis/2022/stats/tmp_p.html

盤石な先発ローテと中継ぎ陣

数年前から石井一久監督兼GMが注力してきた投手力の強化。

ここ数年は実っているといえますが、今シーズンはまさに盤石。
日本球界を誇る豪華な先発ローテーションはもちろんのこと、中継ぎ陣も充実しています。

特筆すべきは四球の少なさ。
64四球はリーグトップで、2位のロッテが81なので差をつけています。
四球が少ないだけに失点もリーグトップの少なさ。

試合数が他球団よりやや少ない消化となってはいますが、素晴らしい数字です。

チーム守備成績

守備率.996(1)/4失策(1)

https://npb.jp/bis/2022/stats/tmf_p.html

驚異的なエラーの少なさ

打撃とピッチングが注目されがちですが、今シーズンのイーグルス好調の裏にはエラー(失策)の少なさも挙げられます。

ここまでチームとしてわずか4失策。
続くホークスが15失策なので、試合数が違うとはいえ大きな差がついています。

エラー(失策)が少ないということはリズムが良いともいえます。
そういった意味で投手陣の頑張りが野手の守備にも良い影響を与え、結果として打撃にも繋がっているように思います。

2022年4月活躍選手

ここまで順調なイーグルス。

特に活躍した選手をピックアップしてみましょう。

西川 遥輝選手

打撃成績

27試合/97打数30安打.309/出塁率.452/7盗塁/5本塁打/23打点

まず何と言っても今シーズン加入した西川遥輝選手の存在は圧倒的。
チームの課題だった盗塁数の増加に貢献しているのはもちろんのこと、ここぞの場面で勝負強いバッティングが目立っています。
5割に近い出塁率で相手を揺さぶり、チャンスの場面ではきっちりヒットを打てる。

中でもホークス戦・9回裏二死モイネロ投手から放った同点3ランホームランは鳥肌ものです。

出塁・盗塁だけでなく打点・本塁打まで全体において文句なし。
ここまでは西川遥輝選手のおかげで首位に立っていると言っても過言ではないでしょう。

浅村 栄斗選手

打撃成績

27試合/103打数32安打.311/出塁率.407/1盗塁/5本塁打/24打点

イーグルスの主軸として4シーズン目を迎えた浅村栄斗選手。
昨シーズンはフル出場を果たすも18本塁打67打点と不本意な結果に終わりました。
(20本塁打以下は2017年、70打点以下は2014年以来)

今シーズンは開幕直後こそやや不振気味でしたが、徐々に調子を上げています。
大活躍をみせた西川遥輝選手の存在が大きいですが、打点では浅村選手が上。
さらに今シーズンは安打も多く、こちらも西川選手より上。

長打頼みではなく、場面によって右方向へ打ち返すなど流石のバッティングをみせています。

田中 将大投手

投手成績

5登板/37投球回/3勝1敗/防御率1.46/32奪三振/25被安打/2被本塁打/6失点

投手陣からはこちらもチームの中心的存在の田中将大投手。
昨シーズンは味方の援護が足りず不本意な結果に終わりましたが、自身のピッチングは一級品。

今シーズンも貫禄のピッチングをみせており、打線の援護があることでここまで3勝をマークしています。
中でも注目すべきは投球回と防御率。

5試合に登板して37投球回は単純計算7.4回。
さらに6失点ということは1試合あたり、わずかに約1失点。

ハイ・クオリティ・スタートの連発で安定感は抜群です。

興味深いのは被安打数。
チーム内では涌井秀章投手と並んで2番目の多さ。
そこからの失点が少ないということはピンチでギアを上げ、抑えている証拠です。

日本球界復帰2シーズン目を迎えた頼もしい大投手。
2ケタ勝利はもちろんのこと、打線次第で20勝も夢ではなさそうです。

今後の期待と課題

続いて今後の期待と課題をみてみましょう。

期待する選手

マルモレホス選手

今後期待したい選手として、マルモレホス選手をあげたいです。

近年、ウィーラー、ブラッシュ、ロメロ選手の退団以降は厳しい結果が続いている外国人野手。
今シーズンもギッテンス選手がわずか1試合2打席で故障してしまう嫌な雰囲気。

一方、マルモレホス選手がここまで25試合に出場。
打率こそ.236とまだまだですが、出塁率.313/3本塁打/13打点と力を発揮し出しています。
特に左投手相手に高打率を上げており、相手投手にとっては嫌な存在になりつつあるでしょう。

これから本格的に適応してきたら怖い存在になりそうです。

安樂 智大投手

昨シーズンから中継ぎとしてポジションを確立し始めた安樂投手。
打たれた試合もありましたが、ここまで松井裕樹投手と並ぶ14試合に登板。
9ホールドポイントをマークしており、中継ぎ陣の中でも欠かせない存在になっています。

シーズンを通して出場できるかどうか、期待しています。

課題のある選手

ここまで順調ではありますが、決して油断や安心はできません。
特にここまでは西川遥輝選手の好調によって支えられていますが、西川選手が不振になった時が危険。
そういった意味で、現状課題を抱える選手の奮起が必要になります。

島内 宏明選手

すっかり4番に定着した島内選手。
昨シーズンは自身初の打点王のタイトルも獲得。

今シーズンはここまで打率.262/13打点とまずますの成績は残しています。
一方、気になるのが併殺打の多さ。
9併殺打はチーム内ダントツの悪さで、チーム21併殺打のほぼ半分を記録してしまっています。

打順の巡りで走者がいる場面も多いだけに難しい所ではありますが、併殺打が減ってくるともう少し打線のつながりは強化されそうです。

鈴木 大地選手

イーグルスを支えるキャプテンシー溢れる鈴木大地選手。
ここまで24試合出場とフル出場は途絶えており、打率.207/出塁率.293と少し元気がありません。

今シーズンは西川選手・小深田大翔選手が上位打線を組んでいるため下位打線にいる鈴木大地選手。
とはいえ下位打線からの得点も重要であり、鈴木選手の復調もチームの力になるのは間違いないでしょう。

辰己 涼介選手

「残念そこは辰己」というキャッチコピーが誕生するほど守備力は言うまでもなく一級品。

とはいえ打撃面では課題が続いています。
今シーズンもここまで打率.235/出塁率.311/2盗塁と自慢の俊足が活かしきれていません。
打率、安打数、出塁率に関してはマルモレホス選手とほぼ同じ成績。

辰己選手に期待される役割を考えると、助っ人外国人選手と同水準では物足りません。
せめて打率は.280前後、そして出塁率をもっと上げてほしいところです。

茂木 栄五郎選手

チームのキャプテンも務めた茂木栄五郎選手。

今シーズンも開幕スタメン出場を果たしましたが、途中でコロナ感染が発覚。
その後も復帰が遅れており、ようやくファームに出場し始めています。

走攻守揃った素晴らしい選手ですが、なかなかシーズンフル出場できていないのは課題。
すでにフル出場は叶いませんが、中盤~終盤には元気に活躍して欲しいところです。

今後もポイントは打線

スタートダッシュを決めたイーグルスですが、まったくもって安心はできません。

引き続き投手陣に大きな問題はなさそうなので、ポイントはやはり打線。
前述の通り、ここまでは西川遥輝選手と浅村栄斗選手の活躍が大きいものの、不調になった時どうするか。

長いシーズン、ずっと好調は難しいので、苦しいときこそ「課題」であげた選手たちの力、あるいは若手選手の力が必要です。
幸い、ファームも調子よく期待できる選手が控えています。

今シーズンは銀次選手が代打の切り札的な存在になるなど、野手陣の層もかなり厚くなっています。

シーズン終盤、最後まで「打って勝てる」チーム状態を維持できれば優勝は十分可能だと考えています。

5月も打線の奮起と、投手陣の引き続きの頑張りに期待です。

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