圧巻の3連勝で単独首位をガッチリキープ!

ソフトバンクとの首位攻防戦となった今カードの3連戦。
日程的にも交流戦前最後のカードとなっただけに勝ち越して交流戦に入ってきたいと誰もが望んだはずだ。
そうは言っても相手は強敵ソフトバンクホークス。主力選手を欠く中ではあるが、ここまで安定して上位を維持する常勝軍団である。

戦前の予想では勝ち越しできれば儲けもので、最悪でも1勝2敗かという消極的な声も多かった中で、終わってみれば3連勝を飾った楽天イーグルス。首位攻防戦を最高の形で終え、単独首位で交流戦を迎えることになった。

今カードの戦評(対ソフトバンクホークス9~11回戦)

今カード初戦の相手先発は千賀。ソフトバンクが誇る絶対的エースでロースコアが予想された。イーグルスは2回表にウィーラーがソロ本塁打を放って先制に成功するも、その裏すぐさま復帰した中村晃に適時打を浴びて同点となった。その後は千賀・辛島の投げ合いで膠着状態が続いていたが、8回表に今江、辰己の連続安打でチャンスを作ると、茂木の適時打で勝ち越しに成功。続く島内も犠牲フライを放って2点差とした。最後は宋家豪、松井裕樹のリレーで逃げ切り、3-1で勝利した。

続くカード2戦目、イーグルスは復帰後2度目の登板となる岸が先発。対するソフトバンクの先発は高橋礼。ここまで良いピッチングをしてきた高橋礼だったが、イーグルスは初回から攻めて4点を奪った。その後に岸が4、5、6回に1失点ずつ喫して4-3と追い詰められたが、7回に再び追加点を加えて逆転は許さなかった。8回裏には宋家豪が2失点して1点差に迫られるも、何とか逃げ切り6-5で勝利
今カード連勝を飾り、勝ち越しを決めた。

3戦目は美馬、スアレスの両先発でスタート。イーグルスは前日に続いて初回から先制に成功。茂木が先頭打者本塁打を放つと、2回表にも2点を加えて試合を有利に進めた。7回裏には無死満塁と絶体絶命のピンチを招いたが、高梨が中村晃を打ち取り、更に青山が内川を併殺打に抑えて見事に無失点で切り抜けた。9回表に浅村が貴重な犠牲フライで追加点を取り、4-1で勝利

強敵ソフトバンクホークスを相手に敵地での3連勝を飾り、2位日ハムとの差を1.5ゲームに広げて単独首位をキープした。

先発陣の総評

今カード初戦に先発した辛島7回1失点と好投し今季4勝目をマークした。
相手先発が千賀だっただけに大量失点は絶対に避けたいところで、ソフトバンク打線を見事に抑えた。今季はストレートと変化球の緩急が素晴らしく、またコントロールの精度も高い。もともと昨シーズンも好投をしていたが打線の援護に恵まれず勝ち星が伸びなかったが、今季は打線が強化され、勝てるようになってきたのは好材料である。
楽天イーグルスの先発陣の中でも現時点で戦力と言える左腕は辛島と塩見しかいないだけに、貴重な先発左腕として今後の活躍も期待したい。

続くカード2戦目は岸孝之が先発。前回の復帰登板も素晴らしい内容だったが勝ちは付かなかっただけに何とか勝ちたい試合だった。結果的には6回3失点、そのうち2失点は内川、デスパイネに本塁打を浴びる内容だったが、打線の援護もあって逆転は許さなかった。
やはり強力なソフトバンク打線なだけに甘く入った球を仕留められてしまったところはあるが、要所を締める素晴らしい投球内容は健在。中継ぎ陣の踏ん張りもあって最後まで逆転を許さず、今季初勝利を飾った。

そして今カード3戦目は美馬が先発。何度も書いているように良い時と悪い時のバラつきが激しい印象だが、この日は良い面が出た。なんと5回まで無失点に抑え、更にノーヒットノーランを継続する完璧すぎる内容だった。あまりにも良すぎてかえって不安もあったが、6回裏に甲斐が放った本塁打が初被安打となりノーヒットノーランは無くなった。迎えた7回裏、今江のエラーもあって先頭打者の出塁を許すと、その後は安打と死球で無死満塁のピンチを招き、ここで降板となった。
結果だけ見れば7回途中3安打1失点で好投したと言えるが、やはり降板の仕方が良くなかった。不運な部分もあったが、あわや大量失点もあり得ただけに、決して「好投した」だけで片付けてよい内容ではなかったと感じた。
とはいえ、5回まで一人の出塁も許さなかった投球は圧巻だった。いずれにしても安定感があるとまでは言えず、次回の登板でも好投を期待したい。

中継ぎ陣の総評

まずは何と言っても接戦の中で3連勝を飾ったことによって、松井裕樹が3連投、3試合連続セーブをマークした。特にカード2戦目は8回裏に宋家豪が打たれて1点差に迫られた中での登板だったが、3者連続三振と完璧に抑え込んで流れを断ち切ったのは圧巻だった。
昨シーズン悔しい思いをした守護神は今季、大躍進を続けている。ここまで28試合に登板してわずか5失点。16セーブ防御率1.23、そして50奪三振という素晴らしい結果を残している。
まさに今季のチームの躍進は守護神・松井裕樹の安定感と堂々たるピッチングが支えていると言っても過言ではない。

新外国人のブセニッツも引き続き抑えており、3戦目では美馬が許した無死満塁の大ピンチを高梨、青山で無失点に抑える好投もあり、中継ぎ陣は頼もしい限りだ。

唯一の懸念点は宋家豪で、ここ最近はややコントロールにバラつきが見られ、四球等で出塁を許しての失点も少なくない。疲れがある可能性もあるだけに、ハーマンが復帰したタイミングで入れ替えても良いかもしれない。

野手陣の総評

今カードに限らずだが、今季は1番茂木の役割が重要になっている。
昨シーズンはフィジカル面の不調もあって攻守ともに精彩を欠いたが、今季は元気な姿を見せている。持ち前のフルスイングで長打が出ており、出塁すれば走塁も魅力的。まさしく相手チームにしてみれば出塁したら厄介な選手だが、出塁率.389、長打率.486と躍動している。
守備も昨シーズン不安があった送球が安定しており、今季は守備固めで三塁に付いても安定感がある。
今季は田中和基が途中離脱しているが、茂木が1番にいることで打線が繋がっている印象もあるだけにリードオフマンとして役割を果たしている。

ウィーラー、ブラッシュの両外国人も好調を維持しており、浅村も点が欲しいところでしっかり結果を残すのは流石。

また、今カードでは堀内謙伍の活躍も目立った。捕手として岸、美馬らをリードしただけでなく、打者としても貴重な打点を稼ぐなど攻守にわたって出場機会を活かしている。捕手陣は嶋が不動のリーダー的存在だが、2番手争いは足立、山下、石原、そして堀内と激化している。
その中での今カードでの堀内の活躍はスタメン捕手の座を奪ってもおかしくない素晴らしいものだった。

まだまだシーズンは長いだけに多くの経験を積ませる意味でも、個人的には堀内を使い続けて欲しいと願っている。

チームの総評

冒頭にも書いたように、勝ち越しできれば御の字、最悪でも1勝できればという想いではあったが、大変失礼であった。
敵地で3連勝を飾り、堂々の単独首位で交流戦を迎えることとなった。

今季は本当に投手陣、野手陣のバランスが取れており、まさに投打がかみ合う試合が多い印象。また、主力選手が欠ける中でも他の選手が補い合っており、層の厚さも感じる。

投手陣で言えば則本、岸が不在だった中で福井、石橋、戸村、今野、安樂と言った投手が先発やロングリリーフで何とか繋いできた。
野手陣で言えば好調だった藤田が離脱したが、浅村、茂木、ウィーラー、今江、村林と言ったメンバーで二遊間、三遊間を回している。
外野でも田中和基が離脱し、島内もここに来て大事を取っているが、辰己、ブラッシュ、そして小郷裕哉や渡邊佳明といったルーキーら若手が活躍しており、十分に選手層が厚くなってきたと言える。

ファームには投手陣では藤平、安樂、池田、近藤らが、野手陣では内田、西巻、岩見といった期待の戦力も控えている。

まさにチーム一丸となってここまでの上位争いが出来ているだけに、交流戦でも総合力でセ・リーグの各チームに勝ち越していってもらいたいし、それが出来るだけの力は十分にありそうだ。

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