白熱した戦いが続くシーズン終盤。ずばり今月のMVPは誰の手に??

新型コロナウイルスの影響がある中、特別日程で行われている2020年シーズン。
10月22日についにソフトバンクホークスにもマジック8が点灯し、これでセ・パ両リーグのペナントレースも佳境に入ってきた、というところでしょうか。

セ・リーグのリーグ優勝と日本シリーズ行きのチケットはほとんど読売ジャイアンツが手にしたと言っても過言ではありませんが、一方のパ・リーグは未だ順位変動があり、残り試合の展開から目が離せない白熱した戦いが繰り広げられています。

そんな白熱した戦いを繰り広げているチームの立役者は一体誰なのでしょうか。
そこで、今回は10月度のセ・パ両リーグの月間MVPを「いちプロ野球ファン」目線から予想してみたいと思います。

月間MVPとは

プロ野球ファンの皆さんならご存知の方も多いかと思いますが、まずは、簡単に月間MVPについてご説明します。

月間MVPとは、

・正式名称は大樹生命月間MVP
・ペナントレース期間中に毎月活躍した優秀な選手を表彰するもの
・基本的に投手と野手を各リーグからそれぞれ1名ずつ表彰
・MVPの選考基準は、月ごとの各選手の成績と記録員による貢献度査定
・3月のように、月の試合数が少ない月はその前後の月と併せた月間MVPとなる
例:3月と4月を合体して、3、4月度月間MVPとなる
・受賞者には記念の盾とトロフィー、賞金30万円が授与される

また、今シーズンは新型コロナウイルスの影響から開幕が遅れたため、6月分は7月分の表彰に組み込まれ、11月分も10月分の成績と併せての発表となりました。

そして、今シーズン最後の月間MVP受賞選手発表予定日は11月18日となっています。

今シーズンの月間MVP受賞者はどのような顔ぶれ?

月間MVPについての理解が深まったところで、2020年シーズンの月間MVP受賞者を見てみましょう。

投手部門

セ・リーグ

選手名 チーム 成績
6、7月度 菅野 智之投手 ジャイアンツ 5勝0敗、防御率1.69
8月度 菅野 智之投手 ジャイアンツ 4勝0敗、防御率1.50、完封1
9月度 大野 雄大投手 中日ドラゴンズ 3勝2敗、防御率1.35、完封3

 

パ・リーグ

選手名 チーム 成績
6、7月度 涌井 秀章投手 楽天イーグルス 5勝0敗、防御率2.89
8月度 石川 歩投手 千葉ロッテマリーンズ 4勝0敗、防御率3.46、
9月度 山本 由伸投手 オリックス・バファローズ 4勝1敗、防御率0.73

今シーズンは、セ・パ両リーグともに、投手部門は先発投手が受賞しています。
また、9月度以外は全ての投手がその月を無敗で終えるという素晴らしい成績を残してることが分かります。

9月度の受賞者、ドラゴンズの大野投手は2敗を喫しているものの、3勝すべてが完封という圧巻の投球を見せつけました。

もうひとりの9月度受賞者バファローズの山本投手も負けを一つつけられてはしまいましたが、勝利数はリーグトップの4、防御率も0.73と先発投手とは思えない数字を残しました。

さらに驚くことに山本投手は9月は登板した5試合すべてで7回以上を投げているという点です。
また、9月山本投手は9月8日の西武ライオンズ戦での自責点2と15日のイーグルス戦での自責点1だけでした。

打者部門

続いて、打者部門です。
まずはセ・リーグから。

選手名 チーム 成績
6、7月度 村上 宗隆選手 ヤクルトスワローズ 打率.339、6HR、43 安打、47打点
8月度 佐野 恵太選手 横浜DeNAベイスターズ 打率.343、6HR、34安打、22打点
9月度 梶谷 隆幸選手 ベイスターズ 打率.378、5HR、42安打、14打点

 

続いてパ・リーグ。

選手名 チーム  成績
6、7月度 柳田 悠岐選手 ホークス 打率.379、10HR、47安打、26打点
8月度 吉田 正尚選手 バファローズ 打率.430、2HR、37安打、15打点
9月度 浅村 栄斗選手 イーグルス 打率.271、10HR、26安打、21打点

受賞者の名前を見ると、チームの主軸を任されている選手が多い印象を受けます。

6、7月度受賞のスワローズ・村上選手はリーグトップの数字は打点のみですが、出塁率が.441でリーグ2位、また試合の終盤で勝負強さを発揮するなど、二十歳ながらも4番としての役割を十分に発揮しました。

また、我らがイーグルスの浅村選手は9月、ホームラン数と打点でリーグトップの成績を残し、堂々の受賞。
さらに、9月22日のマリーンズ戦では自身初となる1試合3HRを記録し、球団の1000勝目に花を添えました。

今年最後の月間MVP受賞候補者はどんな選手たち?

それでは、ここからは今シーズン最後の月間MVPの候補にはどのような選手たちの名前が挙げられるのか、予想していきたいと思います。

まず投手部門に関してですが、今シーズンはすべての受賞者が先発投手であることから、先発に絞って候補者を挙げたいと思います。

打者部門は、走力よりも打力面でのチームへの貢献度が重視されている印象です。
したがって、チャンスの場面での勝負強さや、打撃力を中心に候補者をピックアップしていきます。
※これから紹介する選手たちの成績は10月22日時点のものです。

セ・リーグ投手編

まずは、セ・リーグの投手部門。

セ・リーグの候補者といえば、やはり、ドラゴンズの大野投手と開幕から13連勝を記録したジャイアンツの菅野投手の名前が挙げられます。

その他、今月素晴らしい成績を残しているのが、広島カープの大型ルーキー森下投手といったところでしょう。

大野 雄大投手(ドラゴンズ)

大野投手は、10月の防御率がなんと0.00
ちなみに、今シーズンの防御率はジャイアンツの菅野投手を上回る1.79。
単純計算で1試合で2点も取られない、ということになるのでその凄さがわかります。

また、大野投手はすでに完投数が10(完封6)という異常とも言えるような成績を残しています。
開幕当初こそ勝ち星がなかなかつかず、苦労していましたが、今は開幕時の苦労など嘘かのようなピッチングを披露。

そんな大野投手は、10月22日のベイスターズ戦で、今シーズン6回目となる完封も記録しており、今季すでに10勝を挙げています。

さらに同じ日のベイスターズ戦では連続イニング無失点記録も45にまで伸ばし、球団記録も更新しています。

残りの登板数もあと2回ほどですが、もし残りの登板試合すべてで完投もしくは完封した場合、月間MVPに最も近い選手となること間違いなしでしょう。

菅野 智之投手(ジャイアンツ)

大野投手のライバルとも言えるのがジャイアンツの菅野 智之投手
今シーズンは開幕から13連勝という偉業を成し遂げ、プロ野球記録を更新しました。

防御率も2.02という素晴らしい成績を残しています。
しかし、10月13日のカープ戦で4失点し、今シーズン初黒星を喫してしまったため、今月防御率は4.15となってしまっています。

ただ大野投手と同様、残りの登板試合の内容次第では防御率も下がるかもしれません。
そうなれば、MVP受賞ということもあるかもしれません。

森下 暢仁投手(カープ)

そして3人目の候補がカープのドラフト1位ルーキー森下 暢仁投手です。

森下投手の10月の成績は、3試合に登板して2勝0敗、防御率0.45
開幕から、新人投手とは思えないような投球を続け、ジャイアンツの戸郷投手と新人王争いも繰り広げています。

さらに、奪三振数でも、大野投手、菅野投手に次ぐ3位で112をマーク。
今シーズンの残り登板試合で勝利投手となれば、菅野投手、大野投手といった球界を代表する投手たちとも互角のMVP争いができそうです。

セ・リーグ打者編

ホームラン王、打点王など、タイトル争いが熾烈なセ・リーグ。
そんなセ・リーグの打者部門は、打率OPSという指標を加味しながら判断していきます。
ちなみに、OPSとは長打率と出塁率を足したもので、数字が高いほどチームへの貢献度が高いことを示唆する指標です。

打率の面ではドラゴンズの大島 洋平選手が優勢です。
一方、OPSで見るとカープの鈴木 誠也選手とジャイアンツの丸 佳浩選手OPS1.000超えとなっています。

大島 洋平選手(ドラゴンズ)

一時はリーグ最下位にまで沈んでいたドラゴンズですが、今やリーグ2位にまで這い上がってきました。
そんなドラゴンズの原動力となっている選手の一人が大島 洋平選手です。
大島選手は今年シーズン通して調子が良い印象ですが、10月の打率はなんと.400

18試合でヒット数28、盗塁4、OPSも.927と目を見張る活躍をしています。

鈴木 誠也選手(カープ)

鈴木選手は、現在一時不振で4番を外れていますが、OPSは1超えの1.074という数字を残しています。

また、10月の打率も久しぶりの3割超えとなる.333という好打率
ヒット数は19試合で23と大島選手には少し劣りますが、ホームラン数は5と、約4試合に1本打っている計算です。

OPSの維持に加えて打率がもう少し挙がってくれば、受賞の可能性が高まりそうですね。

丸 佳浩選手(ジャイアンツ)

ジャイアンツの丸選手は、今回紹介する選手の中でOPSがトップの1.096

丸選手も10月の打率が3割超えの.306と好調であることがわかります。

今月の丸選手の打撃成績をもう少し詳しく見てみると、19試合で19安打、5HRという内容です。

ヒット数は他の2人比べると少し見劣りしてしまいますが、2塁打の数が7となっています。
これは今回ご紹介する3選手の中ではトップの数字で、これが丸選手が高いOPSをマークできている理由の一つでしょう。

パ・リーグ投手編

続いて、パ・リーグ。

10月の防御率0.00のホークス・千賀投手が現在一歩リードといった印象を受けますが、バファローズの若きピッチャー山本投手やファイターズの有原投手も素晴らしい成績を残しています。

千賀 滉大投手(ホークス)

千賀は今月3戦3勝防御率0.00という完璧な成績です。

10月21日の日本ハムファイターズ戦では、7安打1四球と苦しみながらも失点1自責点0と苦しい中でも点を与えないピッチングを披露しました。

もし残りの登板試合すべてでも自責点0となれば、おそらく文句無しのMVPとなるでしょう。

山本 由伸投手(バファローズ)

9月度に初めてMVP受賞となった山本投手。
10月に入ってもその好調を維持している印象を受けます。

今月は13日のホークス戦で1敗を喫したものの、防御率は1.17という素晴らしい成績です。

ただ、現状は千賀投手の方が一枚上といったところでしょうか。
もし、残りの試合で千賀投手に黒星がつき、山本投手が圧巻のピッチングを披露すれば、山本投手にも2ヶ月連続のMVP受賞の光が見えてきそうですが、千賀投手のピッチング次第ということになりそうです。

有原 航平投手(ファイターズ)

続いての候補者はファイターズの有原 航平投手。
有原投手も今月の防御率が1.13と1点台です。

有原投手は10月に入って完投が2回あります。
しかし、そのうちの1つは10月3日のホークス戦で、失点2に抑えたものの打線の援護がなく敗戦投手となってしまいました。

ただ、今月は登板したすべての試合で7回以上を投げ、自責点3と安定したピッチングを披露しています。

有原投手も、千賀投手と山本投手の今後の成績次第でMVP受賞のチャンスがありそうです。

パ・リーグ打者編

最後はパ・リーグ打者編です。

今月10連勝している首位のホークスの柳田選手が少し優勢な印象を受けます。
その柳田選手の対抗馬としては、バファローズの吉田選手、そして9月度のMVPイーグルスの浅村選手といったところが挙げられます。
ただ、3名とも成績が似ているので、残り試合での活躍次第と言ったところでしょうか。

柳田 悠岐選手(ホークス)

パ・リーグ首位を走るチームの主力選手、柳田選手は、今月の打率が.380と4割近い打率をマークしています。

19試合で27本ものヒットを放ち、3HR、打点12という成績となっています。
また、OPSは1.000超えの1.048
10月10日からの10連勝にも貢献していることがこれらの成績から伺えます。

吉田 正尚選手(バファローズ)

吉田選手は今月の打率が.366と、シーズン終盤になってもその打撃力は陰りをみせません。
OPSも.902と高い数字を残しています。

そんな吉田選手は今月18試合でヒット数26、1HR、打点6という成績です。

現在、打率と安打数でリーグトップの吉田選手がこのままの良い状態のまま、レギュラーシーズンをフィニッシュすれば、柳田選手を凌いでMVPを受賞する可能性は大いにありそうです。

浅村 栄斗選手(イーグルス)

最後に紹介する候補者が我らがイーグルスの浅村選手。
現在ホームラン王争いでトップに立つ浅村選手ですが、OPSも1.000と高い数字です。

浅村選手も今月は18試合でヒット数21、3HR、打点13という柳田選手、吉田選手に引けを取らない成績です。

主軸として殊勲打やホームラン数が増えると2ヶ月連続のMVP受賞も現実味を帯びてきそうですね。

パ・リーグは力が拮抗 一方のセ・リーグはドラゴンズの選手が本命か

さて、ここまで今年最後の月間MVPの候補選手について考えてきましたが、10、11月度のセ・パ両リーグの月間MVPは次のように予想します。

セ・リーグ

大野 雄大投手(ドラゴンズ)
大島 洋平選手(ドラゴンズ)

パ・リーグ

有原 航平投手(ファイターズ)
柳田 悠岐選手(ホークス)

セ・リーグは、Bクラスにいたチームを2位にまで押し上げたドラゴンズの2選手が他の候補選手よりも優勢な印象を受けます。

一方、パ・リーグは投手、打者部門ともに力関係が拮抗しており、現時点ではどの選手も甲乙つけがたい、ハイレベルな争いを繰り広げています。

特に、パ・リーグの投手は現状は、ホークスの千賀投手の成績がトップです。
しかし、安定性という観点から見ると、ファイターズの有原投手の方が上回っているように感じます。

また、打者部門も熾烈な争いが続く予感がします。
チームの連勝に貢献しているホークスの柳田選手なのか、それとも我らがイーグルスの浅村選手か。
はたまた今シーズンすでに月間MVPを受賞しているバファローズの吉田選手か。
しかし、ここはイーグルスファンとしては浅村選手に2ヶ月連続の月間MVPを期待したいところですね。

今シーズン最後の月間MVP争いも十分に見応えがありそうな予感です!

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