交流戦って何?定義や記録についてまとめてみた

交流戦はプロ野球前半戦に行われるセ・リーグのチーム対パ・リーグのチームという形式の試合です。
普段は見られない対決が行われる交流戦では、リーグ順位が大きく変動することもあります。
セ・リーグとパ・リーグではルールが異なるので、交流戦はどういうルールで試合が行われるのだろう、と疑問に思う方もいるかも知れません。
そこで、今回は交流戦についてまとめてみました。

プロ野球の交流戦とは

交流戦とは日本野球機構(NPB)に所属するセントラル・リーグとパシフィック・リーグの2リーグの間で行われる試合で、3週間の期間限定で開催されます。
交流戦の試合数は18試合(6カード)で、1カードは3連戦です。
ホームアンドアウェーは同じカードを隔年で入れ替えます。
例えば、ある年にソフトバンク対阪神の試合がソフトバンクの本拠地球場、ヤフオクドームで行われた場合、その次の年のこの対戦カードは阪神の本拠地球場、阪神甲子園球場にて行われる、といった具合です。

また、交流戦の勝敗や個人成績は各リーグの公式戦成績に反映されます。
したがって、交流戦期間中にリーグ内の順位に大きな変動が起こることもあります。

交流戦の歴史

プロ野球の交流戦は1999年と2000年のオープン戦(公式試合以外の非公式試合で通常は公式戦開幕前に行われる)の一部を「プロ野球サントリーカップ」として開催したのが始まりです。
これは交流戦のメリットを探るために行われましたが、2年で終了しました。

その後、2005年から日本生命をスポンサーとして、1カード3試合ずつの6回総当りで行われるようになりました。

2007年からは両リーグの上位球団によるクライマックスシリーズが実施することになったことと、1シーズンの試合数を交流戦を含めて144試合に定めたため、交流戦は1カード2試合ずつの24試合に削減されました。

そして2015年からは試合数が対戦カード毎にどちらか一方の本拠地球場で3回戦総当りに変更となっています。

このように交流戦が始まってから試合数や対戦カードの数に変更があり、現在に至っています。とはいえ、交流戦の歴史も既に2019年で15年となり、すっかりペナントレースの中に定着していると言えます。

交流戦中のルール

セ・リーグとパ・リーグでは試合のルールが多少異なりますが、交流戦のルールはどのようになっているのでしょうか。
以下で、交流戦期間中の基本ルールをご紹介します。

1.DH制

パ・リーグで採用されているDH制ですが、交流戦ではパ・リーグの主催試合(パ・リーグチームが本拠地)のときにのみ採用されます。
したがって、パ・リーグ主催試合のときは投手の代わりに指名打者が打席に立ちますが、セ・リーグの主催試合のときはパ・リーグの投手も打席に立って打撃を行わなければなりません。
パ・リーグの投手が打席に立つことは非常に珍しく、この交流戦と日本シリーズでセ・リーグの本拠地戦くらいです。それだけに、パ・リーグのチームのファンにとっては好きな投手や応援している投手が打席に立つという貴重なシーンを観ることができます。また、パ・リーグの投手は普段ほとんど打撃練習をしないので、交流戦期間中に、特に先発をする投手は打撃練習をすることになります。バント練習が主になりますが、普段とは違ったルーティンになるので、その辺りの調整も重要なポイントとなります。

ちなみに今シーズンの楽天イーグルスはセ・リーグ主催試合で投手が打席に立った際、昨シーズン使用されていた「投手テーマ」が交流戦限定で復活しました。

2.サスペンデッド

天候などの理由で勝敗の決着が着かなかった場合でも、後日に試合の続きを行う「サスペンデッド」はありません。

3.予告先発

ペナントレースではお馴染みの予告先発制度ですが、交流戦では2012年度から予告先発制度が採用されています。2019年時点で7年と意外に歴史が浅いことが分かります。予告先発制度はパ・リーグで先に導入されていますが、セ・リーグで全試合の公式戦で採用されるようになったのが2012年ということもあり、それが関連していると考えられます。

4.延長戦

延長戦はペナントレースと同じく最大で12回までで、延長12回で決着が着かなかった場合は「引き分け」となります。
後日再試合を行うこともありません。

5.15秒ルール

投手は塁に走者がいない場合、捕手からボールを受け取ってから15秒以内に投球を行わなければいけません。

以上、5つが交流戦の主なルールとなります。

交流戦の記録

前述の通り10年以上の歴史がある交流戦。様々な記録が誕生していますが、ここでは交流戦の記録を3つご紹介します。

交流戦の最多優勝チームは福岡ソフトバンクホークスで、なんとその優勝回数は8回です。
2008年、2009年、2011年、2013年、2015年~2017年、2019年です。
実に2年に1度のペースで優勝している計算になります。
今やパ・リーグの絶対的王者となっているソフトバンクはセ・リーグを相手にする交流戦でも圧倒的な力を見せています。

歴代の最高勝率もソフトバンクで2011年に記録しました。
その年のソフトバンクの勝率は驚異の.818、18勝4敗2分でした。

反対に、歴代最低勝率は横浜DeNAベイスターズが2015年に記録した.176となりました。この年、DeNAは勝利数が僅か3勝、敗戦数が14と大きく負け越しました。

交流戦のセパ戦績

セ・リーグとパ・リーグの通算戦績は2019年の結果を含めて、セ・リーグの966勝1102敗60分、パ・リーグが1102勝966敗60分となっています。
また、これまでの交流戦の歴史の中でセ・リーグが交流戦の勝利数を勝ち越した年は2009年のみで、その年の勝敗はセ・リーグの70勝67敗7引き分けです。
こうしてみると、「人気のセ・実力のパ」と言われているようにパ・リーグが優勢となっており、セ・リーグは苦戦しています。
実際に交流戦の平均順位を見てみてもセ・リーグのチームは下位が多い傾向にあります。

交流戦の平均順位

パ・リーグ
・福岡ソフトバンクホークス:2.9位
・北海道日本ハムファイターズ:5.1位
・千葉ロッテマリーンズ:5.5位
・埼玉西武ライオンズ:6.3位
・オリックス・バファローズ:6.3位
・東北楽天ゴールデンイーグルス:7.2位

セ・リーグ
・読売巨人軍:5.5位
・中日ドラゴンズ:6.9位
・阪神タイガース:7.3位
・東京ヤクルトスワローズ:7.9位
・広島東洋カープ:8.2位
・横浜DeNAベイスターズ:8.9位

歴代優勝回数が最多のソフトバンクは平均して3位以内に入っていることがわかります。
また、その他のパ・リーグのチームも上位にランクインするチームが多い傾向にあります。
しかし、セ・リーグは巨人と中日のみが上位になることが多いですが、その他の4チームは下位になることが多い、ということがわかります。

なぜパ・リーグのほうが強いのか

ではなぜ、パ・リーグのほうが強いのでしょうか?
様々な要素があることが考えられますが、筆者が考えるポイントをピックアップしてみます。

フルスイングする強打者が多い

まず1つの要因としては「打者スイングの違い」が挙げられるのではないでしょうか。

主なセ・リーグの打者とパ・リーグの打者のスイングを比較したときに、パ・リーグの打者の方が「フルスイング」と呼ばれる豪快なスイングをする選手が多い傾向にあります。
代表的な例では、ソフトバンクの柳田選手、ライオンズの山川選手、森友哉選手、オリックスの吉田正尚選手、楽天イーグルスの浅村栄斗選手らが挙げられます。
豪快なスイングは投手に恐怖心を与えます。そうなると投手は思うような投球ができなくなり、厳しいコースを攻めざるを得なくなります。
もちろん、先ほどピックアップした選手も常にフルスイングというわけではなく、状況によってコンパクトなスイングで安打を狙ったり、三塁に走者がいて無死または一死であれば犠牲フライを狙いにいくようなスイングもあります。
それだけ多様なバッティングをしてくる選手が多く、セ・リーグの投手からすれば怖いものです。

DH制で攻撃力が高い選手層

以前にオールスターの記事でも触れましたが、パ・リーグはDH制があることによって1~9番まで全員野手を並べることが出来ます。特に指名打者は守備に就かないため打撃に専念でき、それだけ攻撃力は上がります。
セ・リーグの場合は必ずどこかに投手が入りますので、単純比較して投手が1人入っている打線と野手が入っている打線とを比較すれば、後者が有利だと言えます。
また、パ・リーグの投手はこうした強打者たちと常に対戦をしているため、そこで活躍している投手のレベルも自然と上がっていきます。
そのためベンチ入りも含めた野手陣の選手層も厚くなりやすい傾向にあり、攻撃力は高い傾向にあります。

もちろん、球団の資金力、育成方針、設備や施設、そしてドラフト会議でのくじ運など様々な要素が考えられますが、現時点での成績を見る限りパ・リーグが強い要因の1つとしてDH制の採用は無視できないのではないかと考えています。

交流戦とはセ・パ両リーグの間で行われるインターゲーム

このように、交流戦はセ・リーグとパ・リーグの間で行われる試合です。
試合数は18試合と少ないですが、交流戦の結果がペナントレースの結果に大きな影響を及ぼすこともあります。
最も分かりやすい例として、例えばセ・リーグの1チームだけが勝利し、他の5チームが敗れた場合は「独り勝ち」となるため、一気にゲーム差を詰めたり突き放したりすることになります。通常のペナントレースでは必ず3チームずつの勝敗(または引き分け)となるので連勝をしないと一気に順位が変わることはありませんが、交流戦の場合はそれがあり得ます。

そのため、交流戦が終わった時の順位表で「首位チームだけ貯金があって他の5チームは借金」と言ったことや、「5チームが貯金を作り、1チームだけ借金がある」といった極端な勝敗になることも珍しくありません。

そう考えると、交流戦は普段は見られない対決カードしかない貴重な場であり、互いのリーグの威信をかけた戦いであると言えるでしょう。

最後に余談ですが、パ・リーグのチームは交流戦になるとイニング間に「白いボールのファンタジー」というパ・リーグ連盟歌を外野応援席で合唱します。
交流戦を現地で観戦したことのある方でしたら、聞いたことがあるかもしれません。
動画もありますので、是非観てみてください。

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イーグルスファン通信【編集長】

イーグルスファン通信【編集長】

2006年の野村克也監督時代からのイーグルスファン。本格的に応援し始めたのは2016年頃から。関東拠点のため1軍の現地観戦はZOZOマリン、メットライフがメイン。交流戦でのハマスタ、神宮、東京ドームは外せない。 イーグルスファンならではのコンテンツを心掛けて執筆しています。

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