球団初のオープン戦優勝で開幕へ!リーグ優勝の可能性も高い5つの理由

いよいよ今週、3月25日(金)から2022シーズンのプロ野球が開幕します。

我らが東北楽天ゴールデンイーグルスはオープン戦を見事に球団史上初の優勝で終えました。
オープン戦の内容や新戦力、期待の選手を踏まえつつ、悲願のリーグ優勝へ、その可能性を分析をしていきたいと思います。

2021シーズンの課題

まずは2021シーズンの課題を簡単に振り返っておきましょう。

各種チーム成績も加味した上での課題は「投手陣の頑張りに対して野手陣が点を取れなかった」こと。
最も分かりやすく成績に表れたのは、防御率リーグ5位ながら4勝9敗に終わった田中将大投手ではないでしょうか。

打撃面でいえば出塁は多かったものの、併殺打が多く、盗塁数45はリーグワースト
つまり走者を動かすことができず、かといって本塁打など長打にも乏しかったシーズンとなりました。

ちなみに盗塁数は2020年67(6位)、2019年48(5位タイ)、2018年69(6位)、2017年42(5位)、2016年56(6位)と6年連続でほぼリーグワーストの低水準。
2015年の118盗塁(2位)を最後に低空飛行が続いています。
2016年以降は過去に盗塁王を獲得した聖澤諒選手の盗塁減があり、そこからの大きな課題となっています。

課題克服へ西川遥輝選手の獲得成功

足の速い選手がいない訳ではありません。
辰己涼介、オコエ瑠偉、田中和基選手らは俊足といえますが、「盗塁」に関しては課題大。

こうした状況において朗報となったのが日本ハムファイターズからノーテンダーとなった西川遥輝選手の獲得
西川遥輝選手と言えば、シーズン40盗塁以上を4度もマークしている現役屈指のスペシャリスト
昨シーズンも含む4度の盗塁王獲得、さらにはメジャー移籍も視野に入っていた選手の加入は大きな好材料といえるでしょう。

2022年オープン戦・成績

11勝2敗3分 勝率.846

こうした課題も踏まえると「実際、今シーズンどうなの?」と思われたオープン戦。

しかし、終わってみればまさに圧倒的な成績。
球団史上初のオープン戦優勝を飾りました。
もちろん実際のシーズン成績ではないので浮かれることはできませんが、素直に嬉しいものです。

チーム成績に目を向けると、67得点は12球団中2位
さらに34失点、防御率2.09は12球団中1位と素晴らしい成績。

まさしく昨シーズンの振り返りでも書いたように「得点力の向上と投手力の維持」を体現した成績となりました。

全体的に投打がかみ合った

野手が打って投手が抑える。

よく「投打がかみ合う」といいますが、これがまた難しい。

その中でオープン戦だけをみれば、多くの試合で投打がかみ合ったといえます。
特に接戦を勝利あるいは引き分けた試合が多く、一方的な大敗がほとんどありませんでした。

打線の課題だった機動力は前述の西川遥輝選手が打撃好調で盗塁もしっかりマーク。
チーム11盗塁は12球団中4位タイとなり、まず現時点では課題を克服したといえる数字です。

実績十分な1番打者がどっしり構える打線。恐ろしさを増したといえるでしょう。

過去10年のオープン戦優勝チーム・シーズン成績

少し話は変わって、オープン戦で優勝したチームのシーズン成績はどうなのか?

いままでイーグルスがオープン戦優勝をしたことがないので、気になったこともなかったですが(笑)
気になったので調べてみました。

リーグを問わず、オープン戦を優勝したチームの所属リーグでの成績です。

年度OP優勝OP戦成績シーズン順位(勝率)
2021年阪神タイガース9勝2敗2分.8182位(.579)
2020年西武ライオンズ6勝2敗1分.7503位(.500)
2019年広島カープ8勝4敗4分.6674位(.500)
2018年読売ジャイアンツ11勝5敗1分.688 3位(.486)
2017年千葉ロッテ13勝2敗3分.867 6位(.383)
2016年阪神タイガース7勝3敗5分.7004位(.457)
2015年ソフトバンク11勝5敗1分.6881位(.647)
※CS優勝・日本一
2014年ソフトバンク15勝2敗2分.8821位(.565)
※CS優勝・日本一
2013年読売ジャイアンツ10勝4敗3分.7141位(.613)
※CS優勝
2012年ヤクルトスワローズ9勝3敗2分.7503位(.511)

こうしてみると、2017年の千葉ロッテを除けば、オープン戦優勝チームはシーズンでもそれなりの結果を出している傾向にあります。
特に勝率5割以上が7度あるため、シーズン勝ち越しの可能性は高いと考えられます。

とはいえ、意外とリーグ優勝も果たしたのが2013~2015年のジャイアンツとホークスのみ。
2015年のホークスはシーズン90勝を達成。圧倒的な力で日本一まで昇りつめた近年における絶頂期だったことを考えると、オープン戦優勝=リーグ優勝とは結び付きづらい傾向ともいえます。

リーグ優勝の可能性も高い5つの理由

先ほどのデータからもオープン戦優勝チームがリーグ優勝も果たしのは過去10年で3度のみ。
確率としては「低い方」だと言わざるを得ないでしょう。

しかし、私は今シーズンのイーグルスに関しては、オープン戦優勝がリーグ優勝にも繋がる可能性は高いとみています。

その理由を5つ挙げてみました。

1.主力頼みじゃない層の厚さ

2018年8月からイーグルスのGMに就任した石井一久氏。

田中将大投手の復帰をはじめ、浅村栄斗選手や鈴木大地選手のFA獲得、外国人選手の獲得、そしてドラフト指名など選手補強を中心に戦力強化を行なってきました。

こうして築き上げてきた戦力は決して「ビッグネーム」だけの存在ではなく、若手の台頭も含めた戦力層の厚さが増していると考えています。

ビッグネームでいえば生え抜きも含めると以下の選手が挙げられるでしょう。

  • 田中 将大投手
  • 岸 孝之投手
  • 涌井 秀章投手
  • 則本 昂大投手
  • 浅村 栄斗選手
  • 西川 遥輝選手

一方、生え抜きの中堅選手では

  • 島内 宏明選手
  • 茂木 栄五郎選手
  • 銀次選手
  • 岡島 豪郎選手

らがいます。

さらに若手の台頭として

  • 瀧中 瞭太投手
  • 早川 隆久投手
  • 安樂 智大投手
  • 小深田 大翔選手
  • 山崎 剛選手
  • 和田 恋選手
  • 辰己 涼介選手
  • 田中 和基選手

らが挙げられます。

そして嬉しい誤算として、ドラフト2位ルーキーの安田悠馬捕手がオープン戦で躍動
球団史上初となるルーキーの開幕スタメンマスクが内定していると報道されています。

オープン戦の出場選手をみていると、決して主力選手だけが活躍してるわけでなく、若手選手やルーキーも石井一久監督は積極的に起用。
実際に多くの選手が結果を残しているのも含めると、長いシーズンを戦う上で大きな好材料といえるでしょう。

2.若手のポジション争い

前述の通り若手の台頭は目覚ましいものがあります。

恐らく、現時点で「レギュラー確定」と思われるのは外野手で島内、西川選手。
内野手は浅村、鈴木大地、茂木栄五郎選手でしょう。

外野が残す1枠を田中和基、小郷、辰己、オコエ、岡島、武藤らが争います。
内野はDHの兼ね合いで残る1~2枠を小深田、山崎剛らが争います。
また、内外野どちらもで渡邊佳明と和田恋選手もいます。

これほど激しいポジション争いができるのも、コツコツとチームに必要な戦力を見極めてきた石井一久”GM”とスカウト陣、そして二軍で指導してきた監督コーチらの努力ではないでしょうか。

3.主力選手の仕上がりも順調

今シーズンもう1つ期待できるのが主力選手の仕上がりです。

投手陣では開幕投手に決定した則本昂大投手が昨シーズンにも劣らない仕上がり。
岸孝之投手も息の長い安定感があります。

野手陣では島内、浅村選手が主軸として順調。
さらに茂木栄五郎選手も頑張っていて、彼らがシーズンを通して出場さえしてくれれば、結果はついてくるでしょう。

4.田中将大投手の適用

そして今シーズンこそ期待膨らむのが、日本球界復帰2年目となる田中将大投手。
オープン戦では課題を残しつつも安定感を見せています。

昨シーズンを経験してパ・リーグの打者や日本球界のマウンド、ボールなどへの適用は進んでいるでしょう。
更に打線の援護さえあれば、2ケタ勝利の可能性は高いはず。

田中将大投手が活躍することで、チーム全体としても良い影響が出ることでしょう。

5.ルーキーが開幕スタメンマスク

当日を迎えるまで断言はできませんが、ドラフト2位ルーキー・安田悠馬捕手が開幕から一軍、スタメンといわれています。

近年のイーグルスには扇のかなめ、レギュラー捕手の欠如も課題となっていました。
長年チームを支えた嶋基宏捕手が退団して以降、捕手のレギュラーを固められていません。

幸い、昨シーズン途中に実績十分な炭谷銀仁朗捕手を獲得できました。
とはいえ、2017年を最後に100試合以上の出場がなく、今シーズンもフル出場は難しいと考えられます。

期待の太田光捕手が出遅れていることもあり、当面は炭谷捕手、復帰したら太田捕手かなと考えていました。

こうした状況の中でルーキーの安田悠馬捕手が活躍したのは大きな期待です。
もちろん、ルーキーであり、なおかつ捕手という一番負担の大きなポジション。
いきなり大きな期待をかけるのは酷なもの。
太田光捕手が復帰するまでの辛抱、くらいに考えてもいいでしょう。

それでも、イーグルスには前述の大投手が何人もいます。
その環境下で実践を詰めるのは大きなプラス。

さらにルーキーとは思えない体格と風格を持ち合わせているのは、これまでのイーグルスにはいなかったタイプの捕手です。

どの球団も欲しがる「打てる捕手」が誕生するかもしれません。

また、オープン戦では一塁手としても出場。
捕手の負担が大きいだけに、打撃面で期待するなら一塁手や指名打者での起用もアリです。

そうなると一塁手としてのレギュラー争いにも加わることになり、ますます層が厚くなります。

リーグ優勝に必要なこと

様々な要素をみてきましたが、リーグ優勝に必要なことは、ズバリこれです。

主力選手がシーズンを通して出場すること

ここ数年、同じことを考えています。

いまのイーグルスの戦力は過去を振り返っても類を見ないほど「揃っている」と考えています。

長いシーズンなのでアクシデントもつきものですが、逆に言えばアクシデントなく、レギュラー選手がシーズンを通して活躍するチームこそ、リーグ優勝できるチームだとも思います。

そういった意味で、投手も野手も充実している今シーズン。
開幕一軍入りしたメンバーが最後まで戦っていれば、リーグ優勝は十分にあり得ると考えています。

悲願のリーグ優勝、そして日本一へ。

今シーズンこそ期待が高まっています。

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。