今江コーチ効果絶大!? 待望の打線好調で4位浮上 大逆転Aクラス入りの可能性を考える

ペナントレースは前半戦が終了してオールスターブレイクに入りました。

5月28日公開時点の記事では最下位と低迷していた我らが東北楽天ゴールデンイーグルス。
その後、交流戦を何とか五分(勝率5割)で終えるも、ペナント再開後の西武ライオンズ戦で3連敗。
続くホークス戦も負け越しと「やっぱりダメか…」な展開に思われました。

しかし、7月に入ると状況は一変。
マリーンズ・バファローズ・ホークスとAクラス相手に立て続けに勝ち越し
ホークス戦に至っては3連勝を飾ると、続くファイターズ戦も3連勝。
前半戦最後のマリーンズ戦も勝ち越しと驚異的な勢いで勝ちまくり、最大13あった借金は4まで減少しました。

下位だけでなく、苦戦しているバファローズやホークスに勝ち越したのは好材料。
後半戦残り60試合で、Aクラス入りも目指せるポジションまで上がってきました。

最大13の借金で最下位に低迷していた序盤から奇跡の大逆転へ。
そのために必要な要素と可能性を考えていきましょう。

現状の成績

例によって、まずは動かぬ証拠、各種成績(数字)から整理していきましょう。
※いずれも2023年7月17日終了時点
※カッコ内はパ・リーグ内順位

83試合39勝43敗1分勝率.476(4位)

苦しい状況から這い上がり、借金4の4位まで来ています。
前述の通り直近はAクラスの上位チームに勝ち越すなど、内容的にも良い状況です。

打撃成績

打率.238(3)/288得点(3)/69本塁打(2)/61盗塁(1)

もともと本塁打と盗塁がリーグ上位だったにもかかわらず打率が低迷した結果、得点力が無い致命的な状況でした。
詳しくは後述しますがキーマン・浅村栄斗選手の復調やニューヒーロー・村林選手の登場もあってチーム打率はリーグ3位まで上昇
今江敏晃コーチの存在も大きいといえるでしょう。
結果として得点数も増加。

ようやく打線が機能してきた印象です。

投手・守備成績

防御率3.55(6)/333失点(6)/49失策(5)

打線の状態が上がってきた一方で、投手陣および守備のミスは改善できていません
防御率・失点数はいずれも最下位のままで、失策数も増加しています。
失策数が少ない上位3チームがそのままAクラスに位置していることからも、ミスを減らす必要があります。

待望の打線好調

過去の記事で何度も書いてきましたが、とにかく打線。
野球は点取りゲーム。
取られても取り返せばいい。

そんな想いがようやく現実になってきました。

※以下の成績カッコ内はチーム内順位

待望の復活!浅村栄斗

ここまでの打撃成績

83試合/打率.271(1)/50打点(1)/18本塁打(1)

まず何と言っても、これまで何度もキーマンに挙げている主将・浅村栄斗選手の状態が上がってきたのは「待望」です。
開幕は絶不調ともいえる状態でスタート。
頼みの主軸フランコ・島内とともに低迷しており、チームも影響をモロに受けていたと言えます。

しかし、タダで終わらないのが新主将であり、円熟味を増してきたプロフェッショナル浅村栄斗選手の底力。
5月から徐々に復調にすると、今月まだ8試合を残しながら、打率.393/7本塁打/20打点の成績はいずれも今シーズンの月間成績トップ

イーグルスとしては近年「主将」という役割自体も疑問視するような人選ばかりだっただけに、背中(成績)で引っ張る浅村栄斗選手の活躍は久しぶりに「主将らしさ」が機能していると言えます。

事実、打撃成績はいずれもチームトップ。
打点・本塁打数は現時点でリーグトップと、二冠王も視野に入れつつの成績でチームをけん引しています。

待望のニューヒーロー!1人目は村林一輝

ここまでの打撃成績

40試合/打率.333/11打点(11)/7盗塁(4)

イーグルスにとって近年の不振は戦力の高齢化も原因の一つと言えます。
なかなか若手のニューヒーローが誕生せず、30代の中堅ベテラン勢に頼るしかなかった。

しかしここにきて、ようやく待望のニューヒーローが誕生したと言えるでしょう。
2015年ドラフト7位で入団した25歳の村林一輝選手。
これまでは二軍が中心で、一軍でも守備固めや代走が主な起用方法。

今シーズン、ようやくスタメンのチャンスを得ると打撃を中心に活躍。
チームに足りなかった得点圏での勝負強いバッティングで大きく貢献しています。
もともと良かった守備・走塁も、その実力を遺憾なく発揮。

開幕当初のレギュラーだった山崎剛、フランコ、茂木栄五郎あたりの内野手争いを制してガッチリとレギュラーの座を獲得しました。

このままの状態を維持するのは難しいかもしれませんが、何とか規定打席に達するまで出場し続けて欲しいです。

待望のニューヒーロー!2人目は小郷裕哉

ここまでの打撃成績

65試合/打率.279/27打点(2)/7盗塁(4)

外野のレギュラーは辰己涼介・島内宏明に続く1枠を争う構図と思われていました。
しかし、その辰己と島内が打撃不振。
西川遥輝もパッとせず、なんだかんだ中堅の岡島豪郎選手が頼もしい。
チームとしては苦しい状況でした。

そこに現れた、続いてのニューヒーローが小郷裕哉選手。
2019年ドラフト7位は辰己や太田光と同期かつ同じ大卒入団ながら、出番が少なかったのは事実。
守備や代打での起用が続いていましたが、今シーズンは前述の通り辰己、島内、西川遥輝といった主力の不振でチャンスが巡ってきました。
すると、勝負強いバッティングで打線をけん引。
打点は浅村栄斗選手に続くチーム2位をマークしており、盗塁もチーム4位タイ。

島内の穴を埋めるかの如く3番に定着しつつあり、4番・浅村へつなぐ重要な役割になってきました。

守備でのミス(失策)が目立つのは外野手として致命的ですが、打撃の方で目をつむっておきましょう。

今江敏晃コーチが一軍配置転換

もう一人ピックアップすべき重要人物は今江敏晃コーチ。

2019年の現役引退後はそのままイーグルスでコーチに就任。
二軍で若手選手の育成に尽力しており、村林一輝選手の活躍も確実に貢献しているでしょう。

今シーズン序盤の打撃不振を受け、待望の一軍打撃コーチへ配置転換となりました。
直接的な因果関係は証明できませんが、打席に入る前の選手に耳打ちするシーンも話題となっており、確実に良い影響を与えている考えられます。

是非とも監督に就任して欲しいところですが、現状は今のポジションでご自身の経験や勘を選手に伝えて欲しいところです。

投手陣はイマイチ

打線の状態が上がり得点力が上がったことで勝てるようになったのは事実。

その証拠に、投手陣の成績が改善されていません。

先発が崩れれば試合は崩れる。
先発が抑えても中継ぎが打たれる。
監督の采配ミスで守護神を引きずり出される。

打線の援護がなかった状態での敗戦は仕方ないものの、もう言い訳できません。

勝ち越せない先発投手陣

五十音順に岸孝之・荘司康誠・瀧中瞭太・田中将大・則本昂大・早川隆久で回り始めた先発ローテーション。

ここに辛島航、藤井聖、藤平尚真らが加わっている状況ですが、先発投手陣が勝ち越せていないのは課題。

勝ち越しているのは岸3勝2敗、藤井2勝0敗のみ。
他の先発投手は五分五分か借金があるのは物足りない状況です。

確かに打線の援護がなかった試合もありますが、後半戦でどこまで先発投手が粘り、先発投手に勝ち星が付くかは重要。
そういった意味での好材料として、前半戦終盤では球団史上初6試合連続で先発投手が勝利投手となりました。

こうした試合が増えてくれば、Aクラス入りの可能性も上がってくるでしょう。

登板過多ぎみの中継ぎ陣

今シーズンの中継ぎ投手陣は伊藤茉央・内星龍・渡辺翔太投手といった若手(ルーキー)が躍動しています。

昨シーズン活躍した西口直人と宮森智志が苦戦する中で、巡ってきたチャンスを掴んだのは素晴らしい限りです。

一方、彼らに加えて安樂、酒居、宋家豪、鈴木翔天投手あたりの登板機会が増加。
先発投手がイニングを稼げないこともあり、中継ぎ投手が登板過多ぎみです。

このあたりは石井一久監督と小山投手コーチらの起用方法・采配にも責任があります。

今月末に迫ったトレード期限内に茂木栄五郎を放出し、即戦力となるリリーフ投手を獲得すべきです。

守護神・松井裕樹投手が圧倒的な成績を残している中で、いかにリードしてつなげるか。
逆に松井裕樹投手までつなげることができれば、上位チームと言えど簡単に同点や勝ち越しはできません。

継投策と中継ぎ陣のやりくりも、疲れがたまる後半戦で重要なポイントになるでしょう。

朗報!永井投手コーチが一軍配置転換

こうした状況の中、ちょうど昨日7月19日に吉報が入りました。

小山一軍投手コーチと永井怜二軍投手コーチの配置転換が発表。
それぞれ入れ替わりとなり、永井怜一軍投手コーチの誕生です。

永井コーチといえば2007年ドラフト1位でイーグルスに入団した生え抜き選手。
厳しいチーム状況の中で、一時期は岩隈久志・田中将大・永井怜の「先発三本柱」としてチームを支えていました。

永井コーチも二軍での経験が豊富なだけに、今江コーチとともに期待が高まります。

監督が余計なことをしなければ

打線の状態が上がってきた中で、ここ最近はスタメンオーダーが固定されつつあります。

確かに序盤の打撃不振を考えるとオーダーを変えたくなる気持ちは分からなくもない。
ですが、そこは監督としてどっしりと構え、むやみやたらにスタメンや打順を変えないで欲しいものです。

ようやく石井一久監督が理解してきたのか。
あるいは、未だに噂される三木谷オーナーの現場介入が親会社の経営不振により、それどころではなくなったおかげか。

真相は分かりませんが、スタメン選手や打順を固定してから打線の状態は上がっています
いずれにしても選手を信じて、使い続けて欲しいものです。

一方で、いま勢いのある村林一輝選手や小郷裕哉選手らも、いずれ勢いが止まる可能性は十分に考えられます。
そんな時こそ、未だにくすぶっている島内やフランコ、徐々に上がってきた阿部寿樹、そして頼りになる岡島豪郎や鈴木大地らの存在が重要になります。

投手陣の劇的な成績向上に期待するのは難しいかもしれませんが、何とか踏ん張っているとも言えます。

とにかく野球は点取りゲーム。
投手陣は多少目をつむっても、それ以上に野手が点を取ればチームは勝てます。

あとは石井一久監督が余計なことをせず、淡々と采配をして欲しいところです。
本来は借金13もの状態に陥った監督の責任は問われるべきですが、選手たちが救いました。

もう監督には期待しない。
とにかく選手が伸び伸びプレーできる環境を作るべきです。
それ以上は何もしないで欲しい。

そうすれば、Aクラスまで食い込める可能性は残っています。

頼もしい主将を筆頭に若手のニューヒーローや頼れる中堅ベテラン勢。
そして経験と実績豊富なコーチ陣が一致団結すればAクラス入りできる可能性は十分あります。

一方、再び石井一久監督の迷走や粗末な采配、あるいは現場介入があったとすれば、このままBクラスで終わるでしょう。

私は、選手とコーチは信じています。

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