今年プロ2年目のミレニアム世代がアツい!

読売ジャイアンツ 戸郷 翔征(とごう しょうせい)投手
オリックス・バファローズ 太田 椋(おおた りょう)選手
阪神タイガース 小幡 竜平(おばた りゅうへい)選手

皆さんは、この3名の選手の名前を見て共通点がお分かりになるでしょうか?

すぐに分かった、という方は我らが楽天イーグルスだけではなく、全球団もチェックしているプロ野球好きですね!

さて、さきの質問への答えですが、それは3名とも高卒2年目の選手であるということです。

特に、戸郷投手は開幕からジャイアンツの先発ローテーションの一角を担っており、その名をすでに知っているという方も多いのではないでしょうか。

また、最初に紹介した3名の選手以外にも育成から支配下登録になり、1軍での試合出場まで果たした高卒2年目の選手たちもいます。

ということで、今回は高卒2年目、つまり2000年生まれのミレニアム世代にフォーカスしたいと思います。

過去、高卒2年目でブレークした選手には錚々たる名前が連なる!

ミレニアム世代にフォーカスする前に、今までに高卒2年目でブレークした選手にはどのような選手がいるのか、また当時彼らがどのような成績を記録したのか見てみましょう。

まず、一番記憶に新しいところでいうと、昨年新人王を獲得したヤクルトスワローズの村上 宗隆(むらかみ むねたか)選手ではないでしょうか。
実は村上選手、今年プロ3年目ですが生まれは2000年と今回取り上げるミレニアム世代のプレイヤーでもあります。

そんな村上選手は昨年高卒2年目ながら36本塁打という長打力を遺憾なく発揮しました。
また、昨年は三振数が184とホームランと同じくらい三振数も目立ってしまっていましたが、今シーズンはこれまで三振数は85と減少しており、昨シーズンから成長していることも分かります。
昨年の新人王は今シーズンも成長をしており、将来的に日本を代表するようなバッターになりそうな予感です。

村上選手に加えて、現在メジャーリーグで二刀流として活躍している大谷 翔平選手や今シーズン、サイ・ヤング賞有力候補となっているダルビッシュ有投手、今季史上最年少での2000本安打記録達成を目指すジャイアンツの坂本 勇人選手など、現在も球界や日本を代表する選手たちは高卒2年目で早くも大器の片鱗を見せていました。

その他、高卒2年目で活躍した主な選手とその成績は以下の通りです。

名前 1年目の成績 2年目の成績
大谷 翔平選手 投手成績:登板数13、3勝0敗、防御率4.23 

打者成績:77試合出場、打率.238、3HR、20打点

投手成績:登板数24、11勝4敗、防御率2.61 

打者成績:87試合出場、打率.274、10HR、31打点

村上 宗隆選手 6試合出場、打率0.83、1HR、打点2 143試合出場、打率.231、36HR、打点96
坂本 勇人選手 4試合出場、打率.333、0HR、打点2、盗塁1 144試合出場、打率.257、8HR、打点43、盗塁10
山田 哲人選手 26試合出場、打率.250、1HR、打点1、盗塁0 94試合出場、打率.283、3HR、打点26、盗塁9
山本 由伸投手 登板数5、1勝1敗0S0HP、防御率5.32 登板数54、4勝2敗1S36HP、防御率2.89
松井 裕樹投手 登板数27、4勝8敗4HP、防御率3.80 登板数63、3勝2敗33S15HP、防御率0.87

表からわかる通り、どの選手も試合数が1→2年目で激増し、成績も向上していることがわかります。

特に、我らがイーグルスの松井 裕樹投手の飛躍は目を見張るものがあります。
松井投手は1→2年目で登板数は2倍以上に増加しながらも防御率が約3点も低くなり、あっぱれとしか言いようがありません。

今年の高卒2年目選手の顔ぶれは?

それでは、12球団の高卒2年目選手たちについて見てみましょう。
その顔ぶれはこのようになっています。

球団名 名前 出身高校 指名順位 1軍出場経験
広島カープ 小園 海斗(こぞの かいと)選手 報徳学園高校 1位
林 晃汰(はやし こうた)選手 智辯和歌山高校 3位
中神 拓都(なかがみ たくと)選手 市岐阜商高校 4位
田中 法彦(たなか のりひこ)投手 菰野高校 5位
羽月 隆太郎(はつき りゅうたろう)選手 神村学園高校 7位
スワローズ 市川 悠太(いちかわ ゆうた)投手 明徳義塾高校 3位
濱田 太貴(はまだ たいき)選手 明豊高校 4位
鈴木 裕太投手 日本文理高校 6位
ジャイアンツ 増田 陸選手 明秀日立高校 2位
直江 大輔投手 松商学園高校 3位
横川 凱(よこがわ かい)投手 大阪桐蔭高校 4位
松井 義弥(まつい よしや)選手 折尾愛真高校 5位
戸郷 翔征投手 聖心ウルスラ高校 6位
横浜DeNAベイスターズ 勝又 温史(かつまた あつし)投手 日大鶴ケ丘高校 4位
益子 京右(ましこ きょうすけ)選手 青藍泰斗高校 5位
中日ドラゴンズ 根尾 昂(ねお あきら)選手 大阪桐蔭高校 1位
石橋 康太選手 関東一高校 4位
垣越 建伸(かきごし けんしん)投手 山梨学院高校 5位
タイガース 小幡 竜平選手 延岡学園高校 2位
川原 陸投手 創成館高校 5位
西武ライオンズ 渡辺 勇太朗投手 浦和学院高校 2位
牧野 翔矢選手 遊学館高校 5位
ソフトバンクホークス 野村 大樹(のむら だいじゅ)選手 早稲田実業高校 3位
  水谷 瞬選手 石見智翠館高校 5位
日本ハムファイターズ 吉田 輝星(よしだ こうせい)投手 金足農業高校 1位
  野村 佑希選手 花咲徳栄高校 2位
  万波 中正(まんなみ ちゅうせい)選手 横浜高校 4位 
  柿木 蓮(かきぎ れん)投手 大阪桐蔭高校 5位
  田宮 裕涼(たみや ゆあ)選手 成田高校 6位
バファローズ 太田 椋選手 天理高校 1位
  宜保 翔(ぎぼ しょう)選手 未来沖縄高校 5位
千葉ロッテマリーンズ 藤原 恭大選手 大阪桐蔭高校 1位 
  山口 航輝(やまぐち こうき)選手 名桜高校 4位
  古谷 拓郎(ふるや たくろう)投手 習志野高校 6位
  土井 豪人(どい ひでと)投手 松山聖陵高校 8位
イーグルス 引地 秀一郎(ひきじ しゅういちろう)投手 倉敷商高校 3位
  佐藤 智輝(さとう ともき)投手 山形中央高校 5位

表を見ると、38人中すでに18人が1軍での試合を経験。
その中には2018年ドラフトの目玉選手だったドラゴンズの根尾昂選手、マリーンズの藤原恭大選手、そしてカープの小園海斗選手ももちろん含まれています。

ただし、この数字はあくまでも「1軍出場経験者」であるため、カープの小園選手のように、今年は1軍試合出場選手を果たせていない選手も含まれています。

また、記事の冒頭で名前を挙げた3名の選手に関してはドラフトの目玉候補ではなかったものの、プロに入って飛躍を遂げている選手たちであると言えるでしょう。

高卒2年目とは思えないジャイアンツ・戸郷投手

宮崎県の聖心ウルスラ高校からジャイアンツに入団した戸郷投手は、昨年のシーズン終盤に1軍の試合に出場しました。

1年目の昨シーズンの登板数は2試合にとどまったものの、プロ初勝利を記録し、クライマックスシリーズにも先発登板するなど1年目から大舞台を経験。

そして今年も先発として開幕から3連勝を記録。
そんな戸郷選手は今シーズン13試合に先発し、8勝4敗、防御率2.70(10月3日現在)とシーズンを通して安定した投球をしており、新人王にも期待がかかっています。

もう少し長いイニングを投げられるようになると将来は菅野投手のようなジャイアンツだけではなく、球界を代表するようなエースピッチャーになれるでしょう。

チャンスを見事ものにしたタイガース・小幡選手

タイガースの小幡選手は、コロナの影響で離脱した木浪 聖也(きなみ せいや)選手によって巡ってきたチャンスを見事ものにし、9月25日の試合から8試合連続でスターティングメンバーに名前を連ねています(10月3日現在)。
ホームランこそありませんが、ここまで打率.250とまずまずの成績を残しています。

また、10月2日のジャイアンツ戦では、自身初となる1試合3安打を記録し、8番ながらチームの勝利に貢献しました。
ただ、守備面では30試合に出場し、6失策と課題が残ります。
今後は守備力を上げ、長打も打てるようになるとこわいバッターになりそうな予感です。

一方で苦しむ選手も

高卒2年目ながら1軍での経験を順調に積み重ねていく選手がいる一方で、なかなか出場機会を得られず、苦しんでいる同期選手がいることも事実です。

その一人が名門、大阪桐蔭高校から競合の末ドラゴンズに入団した根尾選手ではないでしょうか。
高校時代からショートだけではなくピッチャーもこなし、打撃面でも長打力があるなど、高レベルの器用さを見せていました。
しかし、今シーズンの1軍試合出場はわずか6試合にとどまり、ヒットもわずか1本、三振7つと結果を残すことが出来ず、2軍降格となってしまいました。

また、兵庫県の強豪・報徳学園高校からカープに入団した小園選手も苦しんでいます。
1年目の昨シーズンは58試合に出場し、ホームランも放つなど将来を期待させるような成績を残しました。
しかし、今シーズンは2軍でも打撃面で不振に陥り、なかなか本来の調子を出せずにもがき苦しんでいるように思います。

さらに厳しい育成ドラフトで入団した選手たち

球団名 名前 出身高校 指名順位 1軍出場経験
ジャイアンツ 山下 航汰選手 健大高崎高校 1位
平井 快青(ひらい かいせい)投手 岐阜一高校 2位
沼田 翔平投手 旭川大高校 3位
黒田 響生(くろだ ひびき)選手 敦賀気比高校 4位
ベイスターズ  宮城 滝太(みやぎ だいた)投手 滋賀学園高校 1位
ライオンズ 大窪 士夢(おおくぼ じゆ)投手 北海高校 2位
ホークス 渡邉 陸選手 神村学園高校 1位
中村 宜聖(なかむら たかまさ)選手 西日本短大付高校 4位
イーグルス 清宮 虎多朗(せいみや こたろう)投手 八千代松陰高校 1位

育成から1軍試合出場は果たせたのは9名中2名のみ。

その2名は共にジャイアンツの選手で、山下選手と沼田投手です。
沼田選手は今年支配下登録となり、これまで5試合に登板しましたが、防御率が10点台とまだまだ成長途中と言ったところでしょうか。

育成選手が1軍の試合に出場するためにはまず支配下登録になる必要があり、もともと1軍への道が遠く厳しいものです。
そのような厳しい道程を高卒2年目で通り抜けた2選手は将来有望な原石ということができるかもしれません。

もちろん、その他の選手にもこの狭く厳しい門を通り抜けて1軍で活躍する姿を見たいものです。
近年ではホークスの千賀投手のように育成から侍ジャパンのメンバーになるほどの選手もいます。
今の高卒2年目の育成選手にもそういった選手を目標に日々練習に励んでほしいですね。

今年活躍している若手選手には、今後も期待!

今シーズンは、コロナによる異例のシーズンということなのか、例年よりも若手の試合出場機会が増えているように感じます。
そのような若手選手にとってはチャンスとも言えるような状況の中で高卒2年目の選手たちは奮闘しています。

現状としては、ジャイアンツの戸郷投手が同世代の中では頭ひとつ抜きん出ている印象ですが、その他の選手たちも残り試合の活躍次第では、来シーズン以降にも期待ができそうです。

今シーズンの残り試合は、CSやタイトル争いだけではなく、将来有望な選手たちの活躍にも目を向けたいですね。

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