意外と沢山ある!プロ野球のタイトル賞まとめ~投手編~
9月30日、山口俊投手(巨人)が今シーズンの最多勝利、最多奪三振、勝率の3つのタイトルを獲得しました。
また、29日にはパ・リーグでもタイトル受賞者が決定し、山本由伸投手(オリックス)が最優秀防御率を、山岡泰輔投手(オリックス)が最高勝率を初受賞しました。
このように、投手部門だけみてもタイトルは多数あります。そこで今回は、日本プロ野球界のタイトルについてまとめてみました。
タイトル賞は打者部門と投手部門、その他の3つ!
タイトル賞は大きく分けると以下の3つがあります。
・ピッチャー部門
・バッター部門
・その他(新人賞、ベストナインなど)
表彰基準は数値で測るのが一般的です。
打者部門は基本的に打席数や打率が、投手部門は投球回数や防御率などが審査基準となります。
ただし、新人賞やベストナインなどは記者投票により決定します。
最高勝率
「最高勝率」のタイトルはその名の通り、1シーズンの中で最も勝率の高い選手が獲得するタイトルです。
ただし、選出基準はリーグにより異なります。
セ・リーグが「規定投球回をクリアした選手の中で最も勝率が高い選手」と定めているのに対し、パ・リーグは「1シーズン13勝以上した投手の中で最も勝率が高い選手」となっています。
ここから、セ・リーグは先発投手がタイトルを獲得しやすいが、パ・リーグは先発投手だけではなく、中継ぎ投手にもタイトル受賞の可能性がある、ということが分かります。
事実、パ・リーグでは1995年に平井正史(当時オリックス)が、1999年に黒木知宏(当時ロッテ)がリリーフ登板ながらも最高勝率のタイトルを獲得しました。
また、無敗でシーズンを終えると勝率1.000(100%)となります。
全勝でシーズンを終えた選手は4名だけで、そのうち現役選手は1人のみです。
- 景浦將(当時阪神)
- 御園生崇男(当時阪神)
- 間柴茂有(当時日本ハム)
- 田中将大(当時東北楽天、現ニューヨーク・ヤンキース)
最優秀防御率
「最優秀防御率」は投手三冠のひとつです。
規定投球回に達した投手の中で防御率が0に一番近い投手に与えられるタイトルです。
パ・リーグは近年、毎年違う投手がこの賞を受賞していますが、セ・リーグは過去5年のうち、4回を菅野智之投手(巨人)が受賞しています。
菅野智之投手は2016年から3年連続で最優秀防御率を受賞しており、巨人だけではなく日本を代表する投手となっています。
我らが楽天イーグルスは直近で2018年に岸孝之投手が受賞しています。
最多勝利
シーズンを通して勝利数が最も多い投手が獲得するのが「最多勝利賞」です。
1リーグ制時代にはシーズンで25勝以上でこのタイトルを受賞している選手が多いですが、近年はシーズン20勝を達成する投手すらほとんどいません。
過去10年以内で20勝以上で最多勝利賞を受賞したのは、我らが楽天イーグルスに所属していた田中将大投手のみです。
防御率と合わせて、いかに2013年に田中将大投手が神がかっていたかが良く分かります。
ちなみに過去5年のセパ両リーグの最多勝利賞受賞者の勝利数を見てみると、15勝が多い傾向にあります。
最多奪三振
シーズンを通して最も奪三振数が多い選手が「最多奪三振賞」を獲得します。
直近5年では、パ・リーグは我らが楽天イーグルスのエース、則本昂大投手が5年連続でこの賞を受賞しています。
2019年こそ戦線離脱していた期間が長く受賞はなりませんでしたが、2020年シーズンでの再獲得に期待。
その2019年は千賀投手(ソフトバンク)が受賞し、パ・リーグのレベルの高さを物語っています。
セ・リーグは年によりばらつきはあるものの、読売ジャイアンツと阪神タイガースの選手が頻繁にこの賞を受賞しています。
最多セーブ王
「最多セーブ王」は1974年に誕生した賞ですが、当時の抑え投手は複数回のイニングを投げることが多く、勝利投手になることもあり、一度表彰方法を変更しました。
しかし1998年に延長戦に関する規定が変わって以来、抑え投手にセーブがつくことが多くなりました。
そして2005年に再び、セーブ数のみで表彰を行うことが決定し、現在の名称となりました。
表彰基準は2005年以降から、「シーズンでのセーブ数が最も多い投手」となっています。
なお、2019シーズンは我らが楽天イーグルスの守護神、松井裕樹投手が38セーブを記録して初受賞しました。
パ・リーグの抑えは森唯斗投手(ソフトバンク)が35セーブ、増田達至投手(西武)が30セーブ、 益田直也投手(ロッテ)が28セーブと非常にレベルの高いシーズンだっただけに、40セーブに迫る勢いでセーブを記録した松井裕樹投手にとっては大きな自信となったことでしょう。
最優秀中継ぎ投手
1シーズンでホールドポイント(先発投手以外の選手で「勝ち」がつく「救援勝利」の数)が最も多い選手に与えられるのが「最優秀中継ぎ投手賞」です。
他の投手タイトルと比べるとあまり目立たない賞ですが、この賞を受賞する投手は登板機会が多いのが特徴です。
この賞は宮西尚生投手(日本ハム)が2018年から2年連続で受賞しています。
また、各リーグのリーグ記録は、セ・リーグでは浅尾拓也投手(元中日)が2011年に記録した59リリーフポイント(RP)、パ・リーグは増井浩俊投手が記録した50RPとなっています。
沢村栄治賞
「沢村栄治賞」、通称「沢村賞」は1947年に、沢村栄治投手(元巨人)の栄誉を称えてつくられた賞です。
ただ、この賞は毎年受賞者を選出しているわけではないので、「受賞者なし」という年もあります。
また、沢村賞受賞者はこれまでセ・リーグが16選手、パ・リーグが14選手で、千葉ロッテマリーンズ以外の11球団から受賞者がでています。
選考基準は以下の8項目あります。
- 25試合以上登板
- 10試合以上完投
- 15勝以上
- 勝率6割以上
- 200イニング以上登板
- 150奪三振以上
- 防御率2.5以下
- 7回を投げて自責点3点以下
また、8条件すべてを満たさなくても、受賞はできます。
実際に、2017年の受賞者、菅野智之選手(巨人)はクリアした項目が5項目でしたが、沢村賞を受賞しています。
投手部門のタイトルは7種類!
投手部門のタイトルは意外と多く、全部で7つもあります。
ただ、沢村賞は毎年受賞者が出るわけではないので、毎年受賞者がでる賞は6つです。
投手部門のタイトルとその受賞者を覚えておくと、来年度以降のシーズンの投手の投げる試合への期待度も高まります。
シーズンの中盤以降は、前半の成績をみて試合を予想することができますが、シーズン序盤はタイトルやオープン戦などの結果を参考に試合観戦すると、観戦をより楽しめるでしょう。
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