球団最速タイ27試合目で20勝到達!2017年以来の快走・当時との比較

2022シーズンの東北楽天ゴールデンイーグルスはまさに絶好調。

2022年5月6日(金)のオリックス戦も勝利を飾り、球団史上最長となる8連勝を記録しました。
さらに5月5日の時点で今シーズンのパ・リーグ最速となる20勝目をマーク。
27試合目での20勝到達は2017年に並ぶ球団最速タイとなりました。

パ・リーグでは27試合目以内に20勝到達したチームは15度目だそうで、過去14度のうち10度が優勝と高い確率でリーグ優勝まで突き進んでいます。
とはいえ、イーグルスが前回記録した2017年はまさかの3位
20勝到達後は57勝56敗3分と貯金を1つしか増やせず、最終成績は77勝63敗3分。
Aクラス入りがやっと、という結果に終わってしまいました。

そこで今回は、同じ27試合目で20勝到達した2017年のイーグルスと比較して今シーズン優勝できる可能性について考えてみたいと思います。

開幕スタメン選手の比較

まずは2017年と今シーズンの開幕スタメン選手と主な先発投手、中継ぎ投手陣など戦力を比較してみましょう。

ちなみに2017年のイーグルス監督は梨田昌孝氏。
就任2年目のシーズンを迎えた年。
新入団選手としては藤平尚真、田中和基、森原康平、高梨雄平、西口直人らがドラフト指名されています。

2017年の開幕スタメン

2017年の開幕戦は3月31日、京セラドームでのオリックス・バファローズ戦でした。
開幕投手は美馬学投手。
試合は6-4でイーグルスが勝利しています。
スタメンオーダーは以下の通り。

  • 1.(遊)茂木 栄五郎
  • 2.(右)ペゲーロ
  • 3.(三)ウィーラー
  • 4.(指)アマダー
  • 5.(二)銀次
  • 6.(一)今江 敏晃
  • 7.(中)島内 宏明
  • 8.(左)聖澤 諒
  • 9.(捕)嶋 基宏

控え野手には細川、岡島豪郎(捕手登録)、藤田一也、松井稼頭央らが名を連ねていました。

懐かしいですね。

今シーズンの開幕スタメン

まだ記憶に新しいと思いますが、今シーズンの開幕戦は3月25日、本拠地・楽天生命パーク宮城での千葉ロッテ戦でした。
開幕投手は則本昂大投手。
試合は0-4でイーグルスは敗れています。
スタメンオーダーは以下の通り。

  • 1.(左)西川 遥輝
  • 2.(遊)山崎 剛
  • 3.(二)浅村 栄斗
  • 4.(右)島内 宏明
  • 5.(三)茂木 栄五郎
  • 6.(指)和田 恋
  • 7.(一)鈴木 大地
  • 8.(捕)安田 悠馬
  • 9.(中)小深田 大翔

控え野手には炭谷銀仁朗、川島慶三、銀次、渡邊佳明、田中和基、小郷裕哉らが名を連ねていました。

2017年の主な投手陣

2017年の主な先発投手陣は以下の通り。

  • 則本 昂大(15勝7敗2.57)
  • 岸 孝之(8勝10敗2.76)
  • 美馬 学(11勝8敗3.26)
  • 辛島 航(8勝8敗4.19)

※100投球回以上の投手をピックアップ

そして主な中継ぎ陣は以下の通りです。

  • 松井 裕樹(52登板33S1.20)
  • 福山 博之(65登板29HP1.06)
  • ハーマン(56登板36HP2.72)
  • 高梨 雄平(46登板15HP1.03)
  • 森原 康平(42登板15HP4.81)

※40登板以上の投手をピックアップ

今シーズンの主な投手陣

今シーズンの主な先発投手陣(成績は割愛)。

  • 則本 昂大
  • 岸 孝之
  • 田中 将大
  • 涌井 秀章
  • 早川 隆久
  • 瀧中 瞭太

そして主な中継ぎ投手陣(成績は割愛)。

  • 松井 裕樹
  • 安樂 智大
  • ブセニッツ
  • 宋家豪
  • 西口 直人
  • 弓削 隼人

2017年のチーム状況

こうして2017年の戦力をみてみると、何となく当時を思い出す方もいらっしゃるかもしれませんね。

そもそも球団最速となる20勝目をマークできたスタートダッシュの要因は打線にあったと考察します。
開幕スタメンを見ても分かる通り、1番茂木栄五郎・2番ペゲーロという超攻撃的打線
さらにウィーラー、アマダーと破壊力抜群で、下位打線も銀次、今江、島内、聖澤と技巧派の打者が名を連ねていました。

開幕から、この超攻撃的な打線が機能したことでスタートダッシュに成功
先発投手陣はエース則本昂大と充実期を迎えた美馬学が奮闘しました。
中継ぎ投手陣では守護神の松井裕樹を中心に福山・ハーマンがセットアッパーとしてフル稼働。
特に福山投手は65試合に登板して防御率1.06と神がかっていました。

いま思えば、中継ぎ投手陣の充実はこの当時から片鱗が見えつつあったかもしれませんね。

いずれにしても「今年はいけるぞ!!」と思ったファンの方も多かったのでは。
私も思っていました(笑)

得点力不足による失速

しかし、終わってみればリーグ優勝はソフトバンクホークス。
94勝49敗、2位西武ライオンズに13.5ゲーム差をつける圧倒的な力で優勝。

イーグルスは2位ライオンズから2ゲーム差届かず、3位に終わりました。

その要因を振り返ってみると、好調だった攻撃的な打線の失速が考えられます。
確かに2017年は3名の外国人選手が活躍。
球団史上初となる外国人3選手による20本塁打以上をマークしました。

とはいえ、最終的な得点数ではホークス・ライオンズに差をつけられる結果に。
本塁打数も上位2チームとは差があり、盗塁にいたってはリーグ5位。
安打数では引けを取らなかったため、明らかに「走者が出ても点が取れない」という悪循環がありました。

思い返すと、確かに当時はチャンスでも点が入らない場面を何度も見せられた気がします(苦笑)

また、先発投手陣では岸孝之投手が防御率2点台ながらも負け越し、辛島投手も貯金が作れませんでした。
結局、100投球回以上に到達したのが上記4投手のみ。
確固とした先発ローテーションは確立できていなかったように思います。

総合的な比較

総合的に比較すると、以下の要素がいえると考えました。
(左が2017年、右が今シーズン)

打線:外国人選手に依存/若手も含め層が厚い
先発:4投手中心に何とかやりくり/6投手いずれもエース級
中継ぎ:松井裕樹中心に安定感あり/松井裕樹中心に安定感あり

2017年と比較して野手も投手も相当な層の厚さだと言えます。

2017年の打線は3名の外国人選手に依存。
結果として100打点を超える選手はおらず、ウィーラー82打点、ペゲーロ75打点、アマダー65打点。
次いで銀次が60打点をマークしますが、他の選手はそれ以下の成績。
長いシーズンを戦う上で、浮き沈みもある外国人選手に頼り切ったのは諸刃の剣でした。

一方、今シーズンは浅村栄斗選手と西川遥輝選手が100打点前後はマークしそうな勢い。
他にも島内、マルモレホス、茂木、鈴木大地、安田悠馬選手あたりの打点が伸びてくれば、チームとしての得点力は2017年より確実に上。

そして何と言っても豪華な先発投手陣。
6投手がしっかりとローテーションを守り抜けば、冗談抜きに6投手全員が2ケタ10勝以上をマークできる力はあるでしょう。

唯一、いい意味で2017年と共通しそうなのは中継ぎ投手陣の充実。
当時も松井裕樹投手の活躍は素晴らしく、守護神につなぐ福山・ハーマン投手の勝ちパターンも見事でした。

今シーズンも松井裕樹投手の頑張りは健在。
さらに今シーズンは守護神につなぐ投手も安樂、ブセニッツ、宋家豪、西口と複数の投手がいるのは更なる充実といえるでしょう。
(ファームでは酒居投手も調整中)

他球団の状況と今シーズン優勝の可能性

今季リーグ優勝できる確率:60%

※もちろん私個人の勝手な予想です

優勝争いを考えるうえで他球団の状況も重要。

2017年はホークスが90勝超えを達成する圧倒的な強さがありました。
投打ともに手が付けられない戦力を誇り、イーグルスは12勝13敗と負け越し。
更には2位の座も明け渡した西武ライオンズには8勝16敗と大きく負け越し。
Bクラスの3チームに勝ち越した分だけAクラスは死守しましたが、上位2チームとは差が出る結果となりました。

そういった意味で、今シーズン、ここまではどのチームに対しても苦手にしていない印象。
宿敵ホークスもしっかり2位につけているので油断はできませんが、2017年当時に比べれば圧倒されるほどの戦力とは考えづらい状況です。

また昨シーズンの覇者・オリックスがここまで苦戦。
苦手意識のあるライオンズとマリーンズにもここまではいい戦いができています。

2017年の対ライオンズのように大きな負け越しがなければ、やはり最後の勝負はホークスになると予想しています。

そうなればホークスとの直接対決はもちろん、いかに他球団との対戦で勝ち越し、貯金を残していけるか。

冒頭にも書いた通り、スタートダッシュを決めたチームが優勝する可能性はかなり高い傾向にあります。
しかし、その傾向から漏れてしまった事例もイーグルスにはあるため、全くもって油断はできません。

そういった要素を踏まえ、現時点でイーグルスが今季リーグ優勝できる可能性は60%としました。
5月の成績次第で、この可能性は変化して来るでしょう。

最後の最後までしっかりと見守り、応援していきたいです。

参考データ
https://npb.jp/bis/2017/stats/idp1_e.html
https://npb.jp/bis/2017/stats/idb1_e.html
https://npb.jp/bis/2017/stats/tmb_p.html
https://npb.jp/bis/2017/standings/

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