2024シーズンの展望とイーグルス順位予想

2024年のオープン戦が終了。
我らが東北楽天ゴールデンイーグルスは17戦9勝6敗2分で勝ち越し、12球団中4位と好成績で終えました。

3月29日(金)に本拠地・楽天モバイルパーク宮城で埼玉西武ライオンズを相手に開幕します。

今シーズンは、それまで3年間にわたって監督を務めた石井一久氏が退き、今江敏晃監督が就任。
球団としては平石洋介氏以来のイーグルスで現役選手としてプレーした人物なだけに、親近感も大きなものです。
一軍の首脳陣も渡辺 直人ヘッドコーチ、川島 慶三打撃コーチ、永井 怜投手コーチ、青山 浩二投手コーチといった面々が就任し、年齢的にも一気に若返りました。現役時代を知っている方も多いのではないでしょうか。

そして何と言っても、イーグルスは今シーズン球団創設20周年を迎えます。
監督が替わり、首脳陣も若返り、選手はベテランと若手が混ざり合い、良い競争が起きていると感じます。
まさに新たな時代に入っていく節目のシーズンが開幕します。

そこで今回は、キャンプインからオープン戦を経てのチーム状況や今シーズンの展望、そしてイーグルスの順位を予想していきたいと思います。

チーム状況

大型補強せず淡々と

オフシーズンの戦力補強に関しては、派手な大型補強はせず、淡々とした戦力補強に。
投手陣ではコディ・ポンセ投手とニック・ターリー投手を獲得
ポンセ投手はファイターズ、ターリー投手はカープでプレーした経験があるだけに即戦力として期待ができます。

他には山田遥楓内野手を育成契約で獲得。キャンプからオープン戦にかけて素晴らしいアピールを続け、支配下登録されました。
昨オフに新規FA権を取得した茂木栄五郎内野手も残留するなど、大きな動きこそないものの、淡々と戦力を整えてきた印象です。

練習試合では苦戦

キャンプが終わり、オープン戦開始までの対外試合では勝てない日々が続きました。
0勝6敗1分といった成績で今江敏晃監督にとっては苦しい船出となりましたが、若手中心の起用から徐々に主力選手の起用も始まると、結果が出るようになります。

あれよあれよ上位へ

オープン戦が始まると主力選手の出場機会が増加したこともあり、少しずつ勝ち始めました。
その中で内野・外野ともに、し烈なレギュラー争いが繰り広げられ、若手を試す機会も継続。

浅村・島内・鈴木大地・阿部・岡島といった中堅勢も調整を進めながら、黒川・平良・山田・入江・中島大輔(ルーキー)といった若手も一軍での試合に起用するなど、今江監督の方針が徐々に体現されていきます。

決して主力のフルメンバーだけ、という起用ではなかったにも関わらず勝利を収める試合も増え、最終的には冒頭の通り12球団中4位と「上出来」な仕上がりとなりました。

2024シーズン戦力分析

オープン戦の内容や今江監督の方針も踏まえて、今シーズンの戦力を分析していきます。

なお、オープン戦でのチーム成績は以下の通りです。

オープン戦チーム成績

54得点(5位タイ 他2球団)
42失点(1位タイ 他2球団)
3本塁打(12位)
16盗塁(3位)
打率.247(4位)
防御率2.34(3位)
8失策(4位)
※全て12球団中

課題となっている投手陣に関しては、中継ぎ投手陣の充実もあってか、チーム防御率2.34(3位)42失点は最小タイと健闘。
打線は本塁打こそ最小でしたが、得点と打率は上位5位以内に入っており、盗塁数3位と機動力も使えました。

先発ローテーション

  • 早川隆久
  • 荘司康誠
  • 内星龍
  • 岸孝之
  • コディ・ポンセ
  • 藤井聖

今シーズンの開幕投手は早川隆久投手に決定しました。
ドラフト1位と期待されて入団した即戦力左腕が4年目を迎える今シーズンで大役に抜擢です。
オープン戦でも安定感のあるピッチングを見せており、次世代エースとして名乗りをあげるビッグチャンス。
年間を通してローテーションを守り、勝敗で勝ち越せば「エース」と言っていいでしょう。大きな期待がかかります。

さらに開幕カード(西武ライオンズ3連戦)は荘司康誠→内星龍というローテーションまで発表されています。
2年目の荘司康誠投手は昨シーズン、ルーキーながらローテーションに入って活躍しました。
今シーズンはオープン戦終盤で少しアクシデントがあったものの、無事に開幕を迎えられそうです。

そして今シーズン中継ぎから先発に転向した内星龍投手はオープン戦で打ち込まれる試合もあったものの、全体的には適応しつつあります。

いわゆる表のローテーションが20代の投手と一気に若返りました。
少し前まで「田中将大・則本昂大・岸孝之・涌井秀章」の超豪華な先発投手陣が魅力と言われていたイーグルスですが、涌井投手はトレードで移籍。
田中将大投手がNPB復帰後の3年間は不甲斐なく、則本昂大投手は今シーズン、クローザー転向となりました。

こうした状況の中で、まだ開幕こそしていませんが、20代の若い投手たちがローテーションに名を連ねてきたことは率直に嬉しいものです。

いわゆる裏のローテーションは年齢を一切感じさせない安定感抜群の岸孝之投手をはじめ、ファイターズでノーヒットノーランも達成したコディ・ポンセ投手が即戦力。
ここに藤井、瀧中、辛島投手らが控える形となりそうです。

なお、オフに手術した田中将大投手は大事を取って慎重な調整になるとのことなので、今シーズンの一軍デビューはずれ込みそうです。
日米通算200勝まであと3勝に迫っているので今シーズンの達成は濃厚。
むしろ、達成しないと困ってしまいます。
注目点は記録達成後の起用方法。
私個人的には先発として記録を達成したら中継ぎに回るのはどうかと考えていました。
しかし現状を踏まえると、むしろ中継ぎの方が充実しているので、今シーズンも先発としての起用となるでしょう。

中継ぎ投手陣

  • 守護神:則本昂大
  • セットアッパー:渡辺翔太
  • 宋家豪・酒居知史・ターリー
  • 伊藤茉央・藤平尚真・西垣雅矢・津留﨑大成・鈴木翔天・松田啄磨・宮森智志

今シーズンは何と言っても、オフに絶対的守護神だった松井裕樹投手がメジャーへ移籍。

新たな守護神として、先発だった則本昂大投手がクローザー転向しました。
新しい環境で調整を続けた「投手キャプテン」はオープン戦で失点する試合もありましたが、順調に調整が進んでいるように感じます。

そこから逆算して8回(セットアッパー)は、昨シーズンルーキーながら素晴らしい成績を残した、2年目の渡辺翔太投手がほぼ固まっていると言えるでしょう。
このオフには侍ジャパン(日本代表)にも選出されるなど、今シーズンも更なる飛躍が期待されます。

あとは宋家豪投手の列と、伊藤茉央投手の列が試合展開に応じて回っていくイメージでしょうか。

先発投手陣が、どうしても豊富とは言えない中で、中継ぎ投手陣への負担が大きくなることは予想できます。
そのため、これだけの投手陣が揃っているのは頼もしい限りです。

さらに育成の清宮虎多朗投手も一軍で素晴らしい成績を残し、アピールしました。
結果的に開幕時点では支配下登録されておらず、二軍スタートが発表されていますが、この辺りは手術した肘の状態を配慮していると考えられます。
シーズンが進めば中継ぎ投手への負担も大きくなるので、必ずどこかで支配下登録・一軍デビューの日は来るでしょう。

野手陣

終わってみれば、昨シーズン打撃面ではチームとして好成績をマーク。
投手陣の踏ん張りが効かなかった点が課題となり、Bクラスに終わったといっていいのではないでしょうか。

今シーズンに関しても野手陣は充実。
オープン戦では本塁打こそ12球団中最下位でしたが、打率・得点では5位以内にランクイン。
30代の主軸を中心に、20代の若手も積極的に起用されており、素晴らしい競争が起きていると感じます。

中でも「1選手の複数ポジション」という起用方針は前監督時代から取り組まれており、その方針は今江監督も踏襲しているようです。
相手の打線や先発投手に合わせてスタメン起用選手・打順・守備位置を柔軟に調整できるのはチームとして幅広い戦略がとれそうです。

ちなみに、打順や守備位置を頻繁に変更するスタイルはボビー・バレンタイン監督が行なっており、その中で現役時代にプレーしていた今江監督が「ボビー式」を採用していくかどうかも、注目されています。

野手陣の中では浅村栄斗選手が今シーズンからサード(三塁手)へ転向
浅村選手が指名打者の時には伊藤裕季也、鈴木大地、フランコ選手あたりが起用されそう。

ファースト(一塁手)には阿部寿樹・フランコ・茂木栄五郎・鈴木大地選手らがローテーションしそう。
オープン戦終盤では「1番ファースト茂木栄五郎」というスタメン起用が複数回見られたため、開幕でも同じ起用になるか注目です。

セカンド(二塁手)は小深田大翔を中心に阿部寿樹・山田遥楓選手が控え、黒川史陽選手が一軍定着を目指しています。

ショート(遊撃手)は昨シーズン途中からブレイクして浮上のきっかけを掴んだ村林一輝選手。
今シーズンは開幕からスタメンで起用され、シーズン完走できるか注目。
オープン戦では打撃不振に陥っていましたが、守備のパフォーマンスは素晴らしいので、シーズン中に打撃の状態も上げていって欲しいです。

外野手は不動のセンター辰己涼介選手を中心に、昨シーズンにキャリアハイをマークした同期の小郷裕哉選手がシーズン完走を目指します。
ここに岡島豪郎・島内宏明選手が控え、島内選手は指名打者との併用になりそうです。
なお、外野手としては小深田大翔、阿部寿樹、渡辺佳明らも出場可能で、更に若手の武藤敦貴やルーキーの中島大輔選手も一軍起用が期待されます。

イーグルスの順位予想

最後に、イーグルスの2024シーズンの順位予想をしてみます。
リーグの順位予想だと他球団も絡んで非常に難しく、かつ書きづらさもあるので、あくまでも「イーグルスが何位になるか」の可能性を考えてみました。

1位 1%
2位 3%
3位 16%
4位 40%
5位 30%
6位 10%

全体としてはAクラス20%・Bクラス80%と予想しました。

Aクラスでいえば、優勝の可能性は相当低く、とはいえゼロではないと考えての1%。
2位もすべてが上手くいかないとかなり難しく、とはいえゼロではないので3%。
3位であれば、若手の台頭(ニューヒーローの誕生)次第であり得なくはないと考え、16%。

4位か5位が現実的で、逆に最下位の可能性も低いのでは、と予想してみました。

開幕前にプロ野球解説者もテレビやYouTubeなどで頻繁に行なう順位予想。
これらを見ていくと残念ながらイーグルスは最下位となっているケースが多いようです。
もちろん他球団との兼ね合いもあるので仕方ないですが、いまの戦力、状態そして若手の台頭など様々な要因で3位争いまではできる可能性があると、私は考えています。

球団創設20年目を迎え、何とかひとつ形を残したい、そんなシーズンではないでしょうか。

今江敏晃監督のもと、恐れるものは何もない!

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