ヤクルト・山田哲人選手が国内FA権取得!楽天イーグルスが獲得に動く可能性は?

2020年9月3日、東京ヤクルトスワローズの山田哲人内野手が国内フリーエージェント権(以下、FA権)の取得条件である出場選手登録8年を満たし、FA権を獲得しました。

名門・履正社高校から2010年にドラフト1位でスワローズに入団。
2014年からレギュラーに定着すると走・攻・守すべてにおいて高いレベルのパフォーマンスを発揮。
シーズンで打率3割、本塁打30本以上、30盗塁以上のトリプルスリーを3度獲得しているのはプロ野球ファンなら周知の通り。
中でも2015年には打率.329、38本塁打、100打点、34盗塁と圧倒的な成績を残しました。
更に二塁手を務めることから守備の評価も高く、言うまでもなく国内屈指のプレイヤーです。

毎年FA権を取得した選手の動向は注目されますが、2020オフシーズン最大の注目は山田哲人選手と言って間違いはないでしょう。
まだ2020シーズンも半分を消化したところなので気が早い話ではありますが、果たしてどの球団が獲得に動くのか、あるいは残留か注目です。

こうした状況の中で、我らが楽天イーグルスも近年FA権を行使した選手の獲得が積極的になっています。
果たして楽天イーグルスは山田哲人選手がFA権を行使した場合に獲得に動くのかどうか?
その可能性を現状の戦力や今後の戦力構想も踏まえて予想してみたいと思います。

FA権を行使した場合の理由

以前に公開したFA権に関する記事で、FA権を行使する選手の主な理由を分析しました。


それぞれ下記の通りです。

1.もっと良い待遇のチームに行きたい
2.出場機会の多いチームに行きたい
3.優勝できるチームに行きたい
4.憧れのチームに行きたい
5.故郷のチームに行きたい

これらの理由から考えられる可能性を考えてみます。
もちろん本心は山田哲人選手ご自身にしか分かり得ないものですし、現時点では特に考えていない可能性が高いですので推測の域を出ません。
あくまでも「いちプロ野球ファン」の目線でFA権を行使する場合の可能性を予想してみます。

もっと良い待遇のチームに行きたい(10%)

待遇面では現在のスワローズでも相当良い待遇と言えます。
昨シーズンオフに推定5億円で契約更改したという報道からも更に良い待遇を求める可能性は低いように思います。
もちろん待遇と言っても年棒(お金)の面だけでなく、本拠地の立地、トレーニング施設、生活環境など様々な待遇が考えられます。

そういった意味で0%とは言い切れませんが、少なくとも今以上の高年棒を求めることは考えづらいと思います。
(とはいえ、もしFA権を行使した場合には大きなお金が動くことにはなるでしょう。)

この理由に関しては複数ある中の一部としては考えられますが、良い待遇だけを求めて移籍する可能性は低いと考えます。

出場機会の多いチームに行きたい(0%)

これはスワローズでレギュラーに定着していることから、理由としては有り得ないでしょう。
移籍しても残留しても出場機会はアクシデントが無い限り確実に与えられるものと考えて問題ないと思います。

優勝できるチームに行きたい(70%)

山田哲人選手ほどの一流プレイヤーであれば、やはり常勝軍団、常に優勝を狙えるチームでプレーしたい気持ちは強いのではないでしょうか。

ヤクルトスワローズは2015年に真中監督に替わった初年度、リーグ優勝を果たしました。
この年は冒頭でご紹介した通り山田哲人選手自身も圧倒的な成績を残してチームの勝利に貢献したと言えます。
惜しくも日本一には届かなかったものの、前年・前前年と2シーズン続けて最下位に沈んでいたチーム状況だっただけに大きな話題となりました。

しかし、その後は再び5位、6位と低迷。
2018シーズンに小川淳司監督が再就任して2位となりましたが、昨シーズンはまたしても最下位に沈んでいます。
ここ10年のリーグ順位を平均すると4.1位となるため、平均的にはBクラスに定着してしまっていると言えます。

こういった状況を鑑みるとコンスタントにAクラス争い、あるいは優勝争いできるだけのチームに移籍したいという気持ちが芽生えてもおかしくないと言えます。

憧れのチームに行きたい(10%)

山田哲人選手がどのチームを「憧れ」と感じているか分からないので可能性としては低い数字にしました。
とはいえ、本人の中で抱いている想いがあれば、それを実現させるためにFA権を行使する可能性は考えられるでしょう。

故郷のチームに行きたい(10%)

山田哲人選手は兵庫県の出身で、高校時代は大阪の名門・履正社高校でした。
そういった意味では関西地域に所縁があると言えます。

関西を拠点とするのはご存知の通りセ・リーグなら阪神タイガース、パ・リーグならオリックスバファローズです。

山田哲人選手にどれほど故郷や地元への想いがあるか定かではありませんが、対象となるチームの状況を考えると可能性としては低いのかなと思ってしまいます。

FA権を行使した場合の移籍先候補

では、実際に山田哲人選手がFA権を行使した場合、移籍先として獲得に動く可能性がある候補の球団を考えてみましょう。

近年のFA移籍動向や球団の資金面を考えると、大方の予想としては読売ジャイアンツ・ソフトバンクホークス・楽天イーグルス・オリックスバファローズ辺りではないかと考えられます。

読売ジャイアンツ

言わずと知れたFA獲得大好き球団。

資金面には何の不安もなく、スワローズと同じ東京都内を拠点とすることから生活面などの変化も最小限となります。
金にモノを言わせて破格の条件を提示する可能性も十分あり得るでしょう。

とはいえ、これまでFA獲得の常勝軍団だったジャイアンツも近年では失敗例もあります。

記憶に新しいのは我らが楽天イーグルスからFA権を行使した美馬学投手。
当時は原監督が自ら交渉の席に着いたとの報道もありましたが、千葉ロッテマリーンズへの移籍を決めました。

それでも丸選手や炭谷銀仁朗捕手の獲得には成功しています。
また戦力的に考えると「強打の二塁手」は喉から手が出るほど欲しい存在。
人気もあるので球団にとってプラスになることは間違いないでしょう。

個人的な思いは「ドン引き」ですが・・・

ソフトバンクホークス

ホークスも資金は潤沢で、待遇面で劣ることはないでしょう。
チームとしても常勝軍団となっていますので優勝を狙えるチームであることも間違いありません。

ホークスの二塁手は牧原選手、周東選手、川島選手あたりが出場していますが、ここに山田哲人選手が加われば戦力に厚みが増すのは言うまでもありません。というかエグい(苦笑)

ホークスは確かに選手層が厚いのは間違いありませんが、意外とケガなどのアクシデントでレギュラーが揃わないことも珍しくありません。
それでも常に上位で優勝争いするのは敵ながらあっぱれという印象。

獲得に動く可能性は高いのではないでしょうか。

楽天イーグルス

我らが楽天イーグルス、山田哲人選手ほどの一流プレイヤーですから調査する可能性は考えられます。
詳しくは後述します。

オリックスバファローズ

これはわたし独自の推測ですが、オリックスも獲得に動く可能性が考えられます。

前述の通り山田哲人選手は関西地域に所縁のある選手
更にオリックスも資金的には結構潤沢で、待遇面ではホークスやジャイアンツと見劣りしない条件を提示できる可能性はあります。

とはいえ、チーム状況が非常に悪くBクラスが定着してしまっていることから山田哲人選手が移籍を決断する可能性は低いようには思います。

ただ「チームとして獲得に動く可能性」で考えれば十分にあり得ると思います。

FA権を行使せず残留する可能性

これまではFA権を行使する前提で推測してきましたが、権利を行使せず(あるいは行使して)ヤクルトスワローズに残留する可能性も十分に考えられます。

現時点での可能性は何とも言えませんので「50%」としておきましょう。
残留する理由はいくつか考えられますが、様々な選手のコメントを聞く限り最も大きいのは「チームへの愛着」ではないでしょうか。

FA権を獲得するには8年間の出場登録が必要です。つまり10年近くレギュラーであり続けることが条件となります。
新人の時から育ててもらい、更に10年も同じチームに在籍していれば愛着や感謝の気持ちが湧くのは当然のことです。

また、今シーズンに限って言えば山田哲人選手本来の成績には程遠い状態であることも気掛かりです。
もちろんこれまでの素晴らしい成績は誰もが知るところなので今シーズンだけで判断することはないと思いますが、決して良い状態でないことは確か。

チームとしてBクラスが続いている状況ではありますが、「自分の力で再び優勝を」という想いも考えられます。

こうした状況を加味するとFA権を行使せず残留する可能性も五分五分ではないかと考えています。

楽天イーグルスが獲得に動く可能性

では、我らが楽天イーグルスが山田哲人選手の獲得に動く可能性を考えていきましょう。

私の個人的な推測ではありますが、結論から申し上げますと可能性は低い・20%くらいではないかと考えています。

楽天イーグルス内野陣の現状

まず守備で考えると、山田哲人選手は二塁手。

現在の楽天イーグルスはご存知の通り浅村栄斗選手が二塁のレギュラーです。
また浅村栄斗選手の体調などを考慮して指名打者で起用する際にはルーキーの小深田大翔選手、ベテラン藤田一也選手、更に最新の動向で言えば9月4日のオリックス戦でルーキーの黒川史陽選手が一軍デビュー。二塁手としてスタメン起用されました。

他では山﨑幹史選手、いざとなれば銀次選手、鈴木大地選手など層は厚いと言えます。
特に現在のイーグルスは内野手を流動的に起用しており、浅村栄斗選手を除けば一塁、遊撃、三塁はガチガチには固定されていません。

つまり、もし山田哲人選手を獲得するなら「二塁手以外のポジション」も受け入れる可能性が出てくると考えられます。
もちろん浅村栄斗選手のように指名打者での起用も考えられますが、いずれにしても浅村栄斗選手と被る要素が多くなるのではないでしょうか。

仮に獲得を目指すなら相当な金額を用意する必要もでてきます。
であれば、若手や活躍している選手に還元するほうが今のチーム状況を考えると合理的なように感じます。

楽天イーグルスの攻撃力

三度のトリプルスリーが物語るように山田哲人選手の打撃や走塁など攻撃面は魅力的です。
とはいえ、今シーズンの楽天イーグルスは既に高い攻撃力を誇っています

まだシーズン中盤ではありますがチーム打率、チーム得点はリーグトップ。
若手から中堅選手まで幅広く「打てる・繋げる」選手は揃っているので攻撃力の補強が急務とは言えない状況ではないでしょうか。

もちろん「打線は水物」と言われるように打撃不振に陥る時もありますが、現在二軍でプレーしている選手なども含めれば是が非でもという印象は薄いように感じます。

「教育者」としての存在

FA移籍した選手は経験が豊富な選手とも言えます。

まさに浅村栄斗選手や鈴木大地選手のように戦力としてだけでなく、若手に対する指導や「背中で見せる」といった間接的影響も大きいものがあります。

そういった意味では前述の通り浅村栄斗選手、鈴木大地選手の獲得が大きかったのは言うまでもありません。
また渡辺直人選手兼コーチや藤田一也選手など頼もしい選手も在籍しています。

確かにもし山田哲人選手が加われば大きな存在あることに間違いは無いですが、どうしても必要とまではいかないのではないでしょうか。

楽天イーグルスの可能性は低い

まとめになりますが、楽天イーグルスが山田哲人選手の獲得に動く可能性は低いと考えています。

もちろん一流プレイヤーですので調査をしたり、本人がFA権を行使すれば交渉を申し出る可能性は考えられます。
チームとして獲得せずとも一流選手と意見交換できる場は貴重ではないかと思われるからです。

とはいえ、現在のチーム状況や今後の将来像を考えれば「どうしても欲しい選手ではない」と言えるのではないでしょうか。

これはまさしく前述の通り浅村栄斗選手、鈴木大地選手を獲得出来たことが大きいと考えられます。
またFAではありませんが涌井秀章投手、牧田和久投手の加入も大きいでしょう。
ここ最近は苦しんでいますが、岸孝之投手の存在も忘れてはいけません。

今回は山田哲人選手にフォーカスしたので詳しくは書きませんが、むしろ課題は先発投手陣のような気はしています。
そういった意味で、山田哲人選手よりも中日ドラゴンズの大野雄大投手や同じくスワローズの小川泰弘投手の方が可能性として考えられるのではないでしょうか。

いずれにしてもFAが動くのはシーズンオフの話。

とにかくまずは今シーズンのパ・リーグで優勝争いすることが第一。

良い意味で「山田哲人選手は必要ない!」と言える成績を期待したいですね!

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