2019年シーズンに向けての大改革

昨シーズンを3位で終え、今シーズンはAクラス争いの中心と期待されていた楽天イーグルス。
そのような期待とは裏腹に、終わってみれば最下位に転落し、シーズン途中には梨田監督が辞任するという散々シーズンであった。

しかし、だからこそ来シーズンに賭ける想いが選手たちにあるのはもちろんだが、それ以上に球団からもその「本気度」が伝わってきている。

優勝経験選手を含む17名に戦力外通告

11月4日の時点で延べ17名の選手を戦力外とした。
その中には2012年に球団史上初の盗塁王に輝いた聖澤諒や、今シーズン出場機会こそ多くなかったが代打で重要な場面に登場した枡田慎太郎といった主力級の選手にも戦力外が通告された。聖澤が持つシーズン54盗塁はいまだに球団史上最も多い盗塁数である。

聖澤、枡田ともに多くのファンに愛されており、突然の通告にショックを隠せないファンも多かったはず。
私自身も来シーズンの復活に期待していただけに残念ではあるが、若手の台頭やドラフト会議での即戦力獲得といった背景があることを考えると、仕方ないと割り切るしかない…

個人的な話にはなるが、特に枡田慎太郎の応援歌が好きで、アップテンポで歌いやすい曲だった。
今シーズン最終戦となったZOZOマリンで勝利した後の二次会で、両者の応援歌も流れており、当然のように期待するファンが多かった。

聖澤、枡田に限らず、若手も含めた17名の解雇は異常な人数である。(中には育成再契約を結ぶ選手も含む)
しかし、それだけの入れ替えを伴ってでも、新戦力と既存戦力の強化を図り、復活に賭ける球団の熱意は伝わってくる。

コーチ陣も大幅刷新

今シーズンの終盤には石井一久GMが就任したことで話題になったが、就任挨拶では「ハプニング的な優勝ではなく、毎年優勝争いができるチームにしたい」とコメントしているように、チームの抜本的な強化、育成に本腰を入れてきた印象も強い。

それは先ほど書いた戦力外通告選手だけでなく、コーチ陣も石井GMの人脈をもってして大幅に入れ替わった。
一軍コーチングスタッフとして経験豊富な真喜志前育成コーチをヘッドコーチに就任させると、新たに5名のコーチを招へいした。
以下が来シーズンのコーチングスタッフ一覧である。

2019年・楽天イーグルス一軍コーチングスタッフ

平石洋介(監督)※留任
真喜志康永(ヘッドコーチ)※前育成コーチ
金森栄治(打撃チーフコーチ)※新任
小谷野栄一(打撃コーチ)※新任
伊藤智仁(投手チーフコーチ)※新任
森山良二(投手コーチ)※留任
光山英和(バッテリー兼守備作戦コーチ)※新任
酒井忠晴(内野守備走塁コーチ)※前二軍内野守備走塁コーチ
笘篠誠治(外野守備走塁コーチ)※新任

小谷野打撃コーチは今シーズンまで現役でプレーしており、現役引退したばかり。伊藤投手チーフコーチも現役時代に在籍したヤクルトでのコーチ経験が豊富にあるが、他球団は初めてとなり、言い方はあれだが、いずれも楽天イーグルスには縁もゆかりもない人物だ。
しかし、石井GMの要望で決まったであろう人選は、ある意味で現役時代に在籍していた球団に依存せず、良い人材を集めるという、その想いで決定したものだと期待したい。

また、二軍コーチングスタッフは以下の通り。

2019年・楽天イーグルス二軍コーチングスタッフ

三木 肇(監督)※新任
後藤武敏(打撃コーチ)※新任
栗原健太(打撃コーチ)※留任
石井 貴(投手コーチ)※新任
小山伸一郎(投手コーチ)※留任
野村克則(バッテリー兼守備作戦コーチ)※新任
塩川達也(内野守備走塁コーチ)※前一軍戦略兼内野コーチ
鉄 平 (外野守備走塁コーチ)※前アカデミーコーチ
高須洋介(育成総合コーチ)※前一軍打撃コーチ
佐藤義則(投手テクニカルコーチ)※前一軍投手コーチ

二軍コーチにも、現役を引退したばかりで「ゴメス」の愛称で多くのファンを魅了した後藤武敏氏が打撃コーチに就任。
現役時代にカープから移籍してきた栗原健太氏も二軍打撃コーチに戻り、小山、塩川、鉄平、高須氏ら、現役時代からイーグルスを支えた人々も二軍で若手の育成に尽力する体制となった。

残る新戦力はFAでの大型補強か

選手、コーチの入れ替えは決して簡単なことではないだろう。
例えば、今シーズンの途中にソフトバンクと交換トレードで放出した西田哲郎はイーグルスで思うような成績を挙げられなかったが、クライマックスシリーズや日本シリーズではしっかりと爪痕を残した。
前述の通り、聖澤や枡田もまだまだやれる印象はあるが、選手枠や資金に限りがあるのも当然のことである。

こうして大胆な選手、コーチ陣のテコ入れをしたからには、補強も必要になってくる。
ドラフト会議では1位指名で即戦力外野手の期待が高い辰己選手を獲得した。

そして、いよいよFA権を行使する他球団の主力選手との争奪戦もスタートする。
今年の注目は広島カープの丸佳浩、西武ライオンズの浅村栄斗、オリックスの西勇輝。
中でも、浅村は今シーズンの打撃成績が飛躍的に向上し、ライオンズの優勝に貢献した一人であることは間違いない。
また、ポジション的にもセカンドが守れる強打者は球界にとっても貴重で、得点力不足に苦しんだイーグルスからすれば是非とも欲しい選手だ。

現状、二塁手はベテランの藤田と渡辺直人、あるいは銀次を中心に、若手で山崎剛、村林、三好といったラインナップだが、ベテランと若手の実力差に開きがある。
藤田、渡辺直人は年齢的にもシーズンフル稼働までは難しい印象で、理想は大事な場面での代打からの守備固め。銀次のセカンド起用も本筋とは言えない。
もし、ここに浅村が加われば、ポジション的にも課題となっている得点力不足の克服にも絶好の選手である。

外野手はある程度固まってきており、巨人から橋本到選手も獲得したばかり。他球団が提示するであろう条件的にも、丸は是が非でも、という感じではなかろう。
投手もある程度は揃っているので、西の獲得も優先課題ではない。

楽天イーグルスは過去のFA入団選手として中村紀洋、今江敏晃、岸孝之らがいるが、いずれもチームに大きく貢献した選手たちだ。
もともと、イーグルスは資金力にはそれなりに余裕がある方だが、むやみやたらにFA選手を取りたがるほうではない。
どちらかと言えば外国人選手の獲得の方が積極的で、過去にはメジャーリーグでもスーパースターであったアンドリュー・ジョーンズや、今シーズンも巨人で活躍したマギーといった大型補強もしている。

現時点で外国人選手に関する情報は少ないが、FA権を行使する大物選手への条件提示は相当なものだと予想される。

パ・リーグからパ・リーグの移籍はファンの間でも物議をかもすテーマだが、チームが強くなるためにはそうも言っていられない。

大規模な選手の戦力外とコーチの入れ替えが終わり、あとは大物選手の補強を残すのみ。

シーズンは終わったが、まだまだチームの動向に目が離せない。

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イーグルスファン通信【編集長】

イーグルスファン通信【編集長】

2006年の野村克也監督時代からのイーグルスファン。本格的に応援し始めたのは2016年頃から。関東拠点のため1軍の現地観戦はZOZOマリン、メットライフがメイン。交流戦でのハマスタ、神宮、東京ドームは外せない。 イーグルスファンならではのコンテンツを心掛けて執筆しています。

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