2022シーズンまさかのBクラス・誤算と解決策
何とも哀れな2022シーズンが終了しました。
東北楽天ゴールデンイーグルスは69勝71敗3分勝率.493で4位、無念のBクラスに終わった。
序盤の快進撃では優勝の可能性が高いとチヤホヤされ、正直私も少し浮足立っていた。
とはいえ気を引き締めようと、過去の記事では優勝確率を控えめに予想した。
もし優勝を逃してもAクラスは間違いないだろう。
過去の傾向からみてもAクラス入りは100%に近い。
Aクラス入りすれば球団史上初の2年連続。流石にこれはいけるだろう。
全部ダメだった。
石井一久監督の引き出しが少ない采配。
12球団の中でも屈指と言われた先発ローテーションの崩壊。
浅村・島内頼みで繋がりに欠く打線。
加えて中継ぎ陣も不安定となり、万事休す。
一年間まともに活躍してくれたのは浅村栄斗選手、島内宏明選手、岸孝之投手、松井裕樹投手くらいでしょうか。
落ちるも落ちたで「ここまでやってくれたか」というのが率直な感想。
細かく振り返る気にもならないので、誤算といえる要因の選手たちと来季に向けた改善案をまとめていきます。
目次
誤算その1 崩壊した先発ローテーション
今シーズンの先発ローテーションが機能すれば10勝投手が4名にも5名にもなった可能性はあるでしょう。
しかし、終わってみれば2ケタ勝利は則本昂大投手のみ。
そんな則本も後半は崩れて連敗する時期もあり、2ケタ勝利は「たまたま」と言われても仕方ない。
以下、成績。
(NPBのHPに掲載の個人投手成績順、以下同様)
- 辛島 航:17登板/6勝4敗/3.40
- 岸 孝之:22登板/8勝10敗/3.19
- 瀧中 瞭太:15登板/2勝9敗/4.62
- 田中 将大:25登板/9勝12敗/3.31
- 則本 昂大:21登板/10勝8敗/3.53
- 早川 隆久:19登板/5勝9敗/3.86
- 涌井 秀章:10登板/4勝3敗/3.54
ネームバリューしかり、昨シーズン活躍した若手しかり、期待の大きさとは裏腹の散々な成績。
しいて言えば辛島航投手は当初のローテーションに入っていませんでしたが、あまりにも酷い開幕ローテ陣を支える形で登場。
一定のパフォーマンスを発揮してくれました。
岸孝之投手が成績以上に気迫のこもった投球を見せてくれただけに結果だけみると負け越しは残念ですが、防御率がすべてを物語っています。
涌井秀章投手は序盤での離脱が響いたため不本意なシーズンでしたが、その他の投手はコメントのしようもありません。
解決策 若手主体のローテーション
30代の投手陣に託されたのは結果。
どうせ負けるなら、若い投手が経験して負けるなら納得できます。
こうなれば来季は若手を起用するしか選択肢がありません。
ベテラン勢の主軸は岸と則本に絞り、瀧中、早川に加え既に先発転向が決まっている鈴木翔天投手や二軍で登板している高田孝一投手らを「我慢して」使うしかありません。
則本昂大→瀧中瞭太→辛島航→岸孝之→早川隆久→高田孝一or鈴木翔天
カード頭に則本・岸をもってきて絶対に勝つ
ケガをしない限り若手を我慢して使い続ける
誤算その2 あれよと崩れた中継ぎ陣
今シーズン、中継ぎ陣に関しては何の心配もしていませんでした。
しかし、結果的にブセニッツ投手の離脱をきっかけに歯車が狂い始めました。
酒居投手は出遅れ、安定感のあった安樂投手が崩れ、宋家豪投手も終盤で苦しむなど「ここぞ」で踏ん張れず投打がかみ合わない試合を何度も見せられました。
せめてもの救いは若い西口直人投手と宮森智志投手の頑張り。
ルーキーの西垣投手も一定の成績を残しました。
また、守護神の松井裕樹投手がセーブ王に輝き安定感があったのは素晴らしいこと。
それだけに、絶対的な守護神がいながら優勝どころかBクラスは残念でなりません。
解決策 田中将大・涌井秀章の中継ぎ転向
とはいえ中継ぎ陣も見直しが必要。
本気で優勝を狙っていくなら中継ぎ陣も盤石にする必要があります。
そこで考えられる選択肢は田中将大、涌井秀章投手の中継ぎ転向。
両投手ともスタミナがあり、ある程度試合を作れるのは理解しています。
とはいえ5回、6回になって突然打たれるのは見ていられません。
中継ぎ投手には先発とは異なるスタミナ、調整は求められますが、各試合を1イニングのみで抑える力は十分もっているはず。
先発ローテーションの枠を若手に譲る意味でも、ぜひ断行して欲しいところです。
6回:宮森・涌井・酒居
7回:西口・安樂・宋家豪
8回:田中将大・ブセニッツ
9回:松井裕樹
必ず起こるアクシデントに備えて何重にもケアする
誤算その3 依存度の高い打線
序盤の快進撃はどう考えても新加入した西川遥輝選手のおかげ。
しかし一転、急失速したのも西川が要因。
いつまでも起用し続けた石井一久監督の判断が最大の原因ですが、いずれにしても特定の選手に依存する打線ではシーズン戦い抜くことはできません。
今シーズン、ギリギリまでAクラス争いやワンチャンス優勝争いに残れたのは浅村栄斗選手、島内宏明選手のおかげでしょう。
事実、浅村は唯一のフル出場で島内も142試合に出場。
浅村は打点王争い、島内は最多安打を獲得しました。
しかし、もし彼らも不振に陥っていたら、もっと早く優勝・Aクラス争いから脱落していたと考えられます。
解決策 主軸を支える若手主体の打線作り
野手陣は外野も内野も層が厚く、活きのいい若手も多くいます。
二軍では圧倒的な力で優勝し、ファーム日本一にも輝きました。
しかし、石井一久監督は前述の西川をはじめ銀次、岡島豪郎、鈴木大地、炭谷銀仁朗など結局は「安定どころ」を起用しがち。
もちろん彼らの活躍もありましたが、もっと我慢して若手を起用しないと育ちません。
せっかくオコエ瑠偉を一軍にあげても6試合の出場で終わり。
オコエに限らず、岩見3試合、内田靖人8試合、小郷裕哉10試合、黒川史陽17試合、和田恋11試合とほぼ出場機会なし。
若手で100試合以上の出場ができたのは小深田大翔選手だけ、という点をみれば野手陣もチグハグ感が否めません。
もっと若手を使わなきゃ。
1.(遊)小深田
2.(中)辰己
3.(二)浅村
4.(DH)島内
5.(一)伊藤or安田
6.(左)渡邊佳明
7.(三)山崎剛or茂木
8.(右)田中和基or小郷orオコエ
9.(捕)太田or安田
先発同様ケガをしない限り若手を我慢して使い続ける
アクシデントに対応するのがベテラン・中堅
5年に一度優勝すればBクラスでいい
結果的に今シーズンはBクラスに終わって良かったと考えています。
中途半端にAクラスでCS進出しても勝ち上れる可能性は低く、万が一にも日本シリーズ進出したとして日本一にはなれないでしょう。
であれば、最初からポストシーズンで消耗せず、じっくりと疲労を取りながら来季に備える時間の方がいまのイーグルスには重要。
過去の記事でも書きましたが、5年に一度優勝してくれれば、あとはBクラスでもいいと考えています。
常勝軍団はそう簡単に作れません。
当然です。
いい意味でメリハリをつけ、若手を育て上げるしかない。
そういった意味で、今シーズンは最後の最後まで消化試合がなく、主力を出し続けなければいけなかった状況はもったいなかった。
過去を嘆いても仕方ないので、来季は若手主体の起用を願うしかありません。
それを実現してくれれば、順位はなんでもいい。
「テンつうしん」と申します。2006年からイーグルスファン/選手起用・采配・成績・チーム編成などを予想したり考えたりするのが好きです/個人運営ブログにてコラムなど書いている個人アカウント。発言内容は個人の見解です。
新聞や大手メディアでは書けないイーグルスファン視点で記事を企画、執筆するように心掛けています。
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