浅村栄斗選手の入団会見・チームワークを感じる一幕も

西武ライオンズからFA権を行使して楽天イーグルスへの入団が決まった浅村栄斗選手。
昨日(12月1日)、球団事務所で契約書にサインして正式な入団が決定した。
その後は入団会見に臨み、新天地での意気込みを語ってくれた。

今シーズンリーグ優勝をしたチームから、最下位へ沈んだチームへ、異例の移籍となった浅村だが、その心境が注目されていた。
今オフのFA争奪戦の目玉と言われているのが西武・浅村、広島・丸の二人である。
丸は最終的に条件面を重要視したと思われ、破格の契約条件を提示した巨人移籍を決断。ある意味で当然と言えば当然の決断だったかもしれない。

一方で、浅村に関してはソフトバンク、オリックス、そして楽天イーグルスが名乗りを挙げていた。
特に条件面やチーム環境的にもソフトバンクが客観的に見れば最も魅力的だろうと思われていたが、実際には楽天イーグルスを選んだ。
その辺りの心境や決断した理由が本人の口からはハッキリとしていない部分もあったため、注目の記者会見となった。

楽天への移籍を決断した理由

ここからは本人の言葉も交えながら、真相を明確にしていきたい。

まず何と言っても、なぜ楽天イーグルスを選んだのか?
この質問に対して浅村はこう答えている。

『(移籍について)プレッシャーを感じる必要はない。とにかく来てくれるだけでよい手本となる。浅村の背中を見て野球ができる(ことが大きい)』という言葉をいただいて、ここまで胸に刺さった言葉というのは今までなかったので、本当に嬉しかったですね。

交渉の際に石井一久GMから掛けられたこの言葉に賛同し、入団を決断したと考えられる。
つまり、浅村が楽天への移籍を決断した最大の理由は「自分が最も必要とされている球団だ」と感じたからではないだろうか。

FA移籍する選手の理由としては、最も多いのが年棒や契約年数といった条件面、あるいはより多くの出場機会を求めるといった理由が多くを占める。
もちろん、その上である程度チームとしての戦力が揃っており、優勝争いできそうなチームを選ぶことも自然だ。

一方、その意味ではソフトバンクの方が有利であると考えるのが一般的だが、浅村自身の心境は「自分が最も必要とされる場所」であったということ。
ある意味、野球人というよりも人間としての本質や信念のようなものを貫き、それを実現させたのではないだろうか。

元西武の同僚など周囲の環境の後押しはあったのか

ご存知の通り、現在の楽天イーグルスには石井一久GM、渡辺直人選手、岸孝之投手と元西武ライオンズで共にプレーしていた人たちが在籍している。
昨今のプロ野球界ではオールスターや交流戦、そして日本代表戦と他チームの選手と交流する機会が増えてはいるが、実際に深い交友関係になる選手は限られる。
そういった意味で、彼らの存在がどれほど影響し、後押ししたのかも気になるところではあった。
そのことについては、「連絡はしたが、深く相談等はしていない。最終的には自分で決断することなので。」と語っていた。

確かに入団後の環境という意味で心強いことは間違いないだろうが、それが入団の決め手では無かったと考えられる。

記者の質問が終わると、あの選手たちが

記者の質問が一通り終わると、予想以上に質問が少なかったのか、石井一久GMからは「質問無いですか?」と求めるような一幕も。
そして次にマイクを握ったのは、再び同僚となる渡辺直人選手だった。隣には則本昂大投手の姿もあり、則本からはこんな質問が。

(今季は)僕から打点を稼いだけど、(来季は)僕が相手にならないけど大丈夫?

すると浅村は「大丈夫です」と即答し、会場も笑いに包まれた。

入団会見に監督やGMが同席することは一般的だが、チームメイトが駆け付ける場面はなかなか見られない。
しかもマイクを握って質問する場面まであり、浅村を不安にさせないように、というチーム愛、チームワークの良さを感じる。

いかに浅村まで回すか

最後に来シーズンの展望を少し。
浅村自身は今シーズン打点王に輝き、入団会見でも打点にはこだわっていると話をしていた。
一方、今シーズンの楽天イーグルスは深刻な得点力不足に悩まされており、まさに重要な戦力となることは間違いない。
とはいえ、その浅村の前にランナーを溜め、チャンスを作って打席に回していかなければならない。

今シーズンは田中和基が新人王のタイトルを獲得した。島内も後半になって打率を伸ばすなど、出塁できる選手は揃ってきている。
あとはいかにチャンスで浅村に回し、ランナーを返してもらうことが出来るかどうか。
あるいは、浅村が勝負を避けられた場合にウィーラー、今江、銀次、内田辺りで得点が取れるか。

決して浅村頼みになることなく、チーム全体がレベルアップして欲しい。

会見の内容はこちら

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