意外と沢山ある!プロ野球のタイトル賞についてまとめてみた~野手編~

意外と沢山ある、プロ野球のタイトル。

前回の投手部門の記事をみて、「投手部門だけでこんなに色々な賞があるの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

実は、今回ご紹介する野手部門のタイトルもまた、7つあります。
ホームランや盗塁、打点のタイトルなど様々で、中には特別な計算式が必要なタイトルもあります。

今回はそういった野手部門のタイトルをまとめてみました。

首位打者

シーズン終了時に規定打席に達したバッターの中で、最も打率の高い打者に送られるタイトルが「首位打者」です。
首位打者はホームラン、打点とともにバッター能力を測る指標のひとつになっています。
過去10年の首位打者獲得者の打率は約.330~.340台が多いです。
直近10年の中では、セ・リーグは青木宣親選手(ヤクルト)が2010年に記録した.358が、パ・リーグは柳田悠岐選手(ソフトバンク)が2015年に記録した.363が最高打率となっています。

なお、歴代最高記録はセ・リーグで1986年にバース氏(当時阪神)が記録した.389、パ・リーグは2000年にイチロー選手(当時オリックス)が記録した.387となっています。

我らが楽天イーグルスからは2008年にリック元選手が.332で、翌年の2009年には鉄平元選手が.327で受賞しており、2年連続で楽天イーグルスから首位打者が誕生しました。しかし、それ以降は出ていないため、期待されます。

規定打席とは?

シーズン終盤になると耳にする「規定打席」という言葉。
試合をテレビ観戦などしていると、その単語自体はよく聞きますが、あまりその意味までは解説者や実況アナウンサーも説明してくれません。
規定打席とは、打撃ランキングのランキング対象選手となるために必要な打席数です。
NPBは一軍の規定打席を「所属球団の試合数x3.1(小数点以下四捨五入)」としています。
現在1シーズンあたりの試合数は143試合なので、上の計算式に当てはめると規定打席は443となります。

この規定打席に達することは1シーズンしっかりと出場したことを意味しますので、選手にとっても重要な指標の1つです。
本塁打や打点は積み上げ式なので、たとえ試合数が少なかったり規定打席に達していなくても記録されますが、打率だけは「率」によって分母の数字で大きく変わりますので、規定打席の到達が必要になります。

最多本塁打

最多本塁打」のタイトルは、シーズン通して最も本塁打数が多い選手に贈られます。
首位打者と違い、規定打席に達していない選手でもリーグで最も本塁打が多ければこのタイトルを獲得できます。
とはいえ、規定打席に達せずにこのタイトルを獲るのは非常に難しく、これまでW・バレンティン選手(ヤクルト、2012年)しかいません。
この年、バレンティン選手は本塁打数60を記録しました。そしてこの記録はリーグ記録にもなっています。

我らが楽天イーグルスからは山崎武司元選手が2007年に受賞しています。

最多打点

シーズンを通して最も多く打点を稼いだ選手が獲得するのが「最多打点」タイトル。
このタイトルを受賞する選手は勝負強く、打撃力も高い傾向にあります。
事実、バレンティン選手(ヤクルト)や今季限りで現役を引退する阿部慎之助選手(巨人)、中田翔選手(日本ハム)などは、各チーム打撃の中心選手としてその年に活躍していた選手たちです。
また、彼らは打撃力も高いので、タイムリーヒットだけではなく、ホームランで一気に複数打点を稼ぐこともよくあります。

我らが楽天イーグルスからは本塁打王と同じく、山崎武司元選手が2007年に受賞しています。40代での二冠王ということがどれほど凄いことか証明されました。

最多安打

1シーズンで最もヒット数が多い選手に贈られるのが「最多安打」タイトルです。
実はこのタイトルは、1994年にイチロー選手が史上初めてシーズン200安打を達成したのをきっかけにつくられた賞です。

タイトル制定以降、シーズン200安打以上を記録した選手は両リーグ合わせて6名しかおらず、セ・リーグはマートン選手(当時阪神)が2010年に記録した214本、パ・リーグは2015年に秋山翔吾選手(西武)が記録した216本が各リーグ記録となっています。

最高出塁率

シーズン通して最も出塁率が高い選手が獲得するのが「最高出塁率」タイトルです。
これはあくまでも「どのくらいの確率で塁に出塁したか」であるので、ヒット数だけが出塁率に換算されるわけではありません。
ヒット以外にも四死球も含まれます。

また、出塁率には算出方法があり、計算式は以下の通りです。

出塁率=(安打数+四死球)÷(打席数+四死球+犠飛)

この式に当てはめて出た答えの小数第4位を四捨五入して、出塁率を決定します。

この賞を受賞する選手は、他の選手よりもアウトになる確率が低いため、チームの得点に絡むことが多いです。

2リーグ制以降、このタイトルを受賞する選手は率が4割台の選手が大半を占めます。
今年このタイトルを受賞したのは鈴木誠也選手(広島)と近藤健介選手(日本ハム)で、鈴木選手が.453、近藤選手が.422でした。
リーグ記録は両リーグとも1986年に樹立された記録でバース選手(当時阪神)の.481と落合博満選手(当時ロッテ)の.487です。

最多盗塁

シーズンで最も盗塁数が多い選手に贈られる賞が「最多盗塁」です。
まさに足のスペシャリストと呼ばれるにふさわしい称号ですね。

過去10年の受賞者を見ると、セ・リーグでは山田哲人選手(ヤクルト)が、パ・リーグでは西川遥輝選手(日本ハム)がそれぞれ3回ずつ受賞しています。
また、今年は近本光司選手(阪神)と金子侑司選手(西武)がそれぞれこのタイトルを獲得しています。

我らが楽天イーグルスからは2012年に聖澤諒元選手が54盗塁で盗塁王を獲得。50盗塁以上するの自体が難しいことであり、参考までに1995年に盗塁王に輝いたイチロー選手は49盗塁でした。

トリプルスリー

最後にご紹介するのは流行語大賞にも選ばれたことのある「トリプルスリー」。
これは一人のバッターが1シーズンで「打率3割、ホームラン30本、盗塁30」を達成することを意味します。
打撃力だけではなく、走塁力も必要とされるトリプルスリーはバランスのとれた攻撃力を持ち合わせた選手しか達成できない記録です。

2リーグ制以降、この偉大な記録を達成したのはわずか10名しかおらず、そのうちトリプルスリーを複数回達成したのは山田哲人選手(ヤクルト)のみです。

3割30本や30本100打点と言った打撃部門だけの数字も一つの重要な指標ですが、そこに盗塁という走力も問われるトリプルスリーは本当に素晴らしい記録と言えます。

野手タイトルは外国人選手が獲得することも多々ある

野手部門のタイトルは投手部門よりも外国人選手が獲得する確率がやや高い傾向にあります。
それはいわゆる「助っ人」として呼ばれている外国人選手に打者が多いからというのもあるでしょう。

ただ、俊足の助っ人外国人がNPBで活躍することは今まであまりみられませんでした。
事実、盗塁王のタイトルだけは今まで外国人選手が獲得したことはありません。

このように、歴代の記録を分析してみると新たな発見がるかもしれません。
タイトルの獲得基準を理解した上で、歴代の記録を見てみるとまた新たな発見があるかもしれませんよ。

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