意外と沢山ある!プロ野球のタイトル賞についてまとめてみた~その他編~
前回と前々回は投手と野手のタイトルをそれぞれご紹介しました。
3回目の今回は、投手も野手も獲得の可能性があるタイトル5つをご紹介します。
最優秀新人
その年に最も活躍した優秀な選手に贈られるのが「最優秀新人」のタイトルです。
この賞は記者投票により、選出されます。
最優秀新人の投票対象選手は以下の資格を満たしている選手です。
1.支配下選手に初めて登録されてから5年以内である
2.海外のプロ野球リーグへの参加経験がない
3.(投手の場合)前年までの1軍登板回数が30回以内である
4.(打者の場合)前年までの1軍での打席数が60打席以内である
これら4つの資格のうち、「1、2、3すべて」もしくは「1、2、4、すべて」を満たした選手にのみ、最優秀新人賞の選考資格が与えられます。
昨年(2018年)は東克樹選手(横浜)と、我らが楽天イーグルスの田中和基選手(楽天)がそれぞれ新人王のタイトルを受賞しました。
記者投票
記者投票はすべての記者に投票権があるわけではありません。投票権がある記者は以下の条件を満たした記者だけです。
・全国のメディア(新聞、放送社など)に所属している
・所属メディアで5年以上プロ野球を担当している
上記の条件を満たした記者が新人王候補選手の中から1名を選び投票します。
なお、ふさわしい選手がいない、と判断した場合には「該当者なし」という投票も可能です。
最優秀選手
シーズンで最も活躍した選手に贈られる賞が「最優秀選手賞」です。通称「MVP」とも呼ばれます。
また、この賞は交流戦、オールスターゲーム、クライマックスシリーズ、日本シリーズでもそれぞれ選出されます。
この賞の選考基準に明確な規定はありませんが、当初は「最も価値のある能力を持ち合わせているか」、「所属チームの優勝に最も貢献したか」が主な選考ポイントでした。
しかし、しだいに後者の基準で選ぶ傾向が高まり、現在も明確な規定はないものの、優勝チームから選出されることが多いです。
ただ、2013年のW・バレンティン選手(ヤクルト)や2014年の金子千尋選手(当時オリックス、現日本ハム)のようにリーグ優勝もシーズン最高勝率も記録しなかったチームから選出されることもあります。
昨年は丸佳浩選手(当時広島、現巨人)と山川穂高選手(西武)がこのタイトルを獲得しています。
ベストナイン
シーズンで最も活躍、好成績を残した選手を各ポジション毎に選出するのが「ベストナイン」です。
こちらも新人王と同じで、記者投票により選出されます。
記者投票で同じポジションに同数で複数の選手が選ばれる場合もあります。
これまで、ベストナインに最も多く選出されたのは野村克也氏(南海)の19回で、2位は王貞治氏(巨人)の18回です。
王氏はなんと18年連続で選出され、連続選出年数は歴代最多です。
ゴールデングラブ賞
「ゴールデングラブ賞」は正式名称を「三井ゴールデン・グラブ賞」といいます。
1972年に制定されたこの賞は守備力の高い選手に贈られる賞です。
選出方法はベストナインと同様で記者投票により、選ばれます。
受賞者には金色のグローブとその両端に金色のボールが置かれたトロフィーが授与されます。また、トロフィーには各受賞者の写真が印刷されています。
ゴールデングラブ賞の選考投票対象選手は以下の条件を満たした選手です。
<投手>
・規定投球回数以上の投球がある
・年間1/3以上の試合に登板している
<野手>
・年間試合数の半分以上を同じポジションでプレーしている
カムバック賞
2005年に設置された「カムバック賞」はNPBのタイトルのひとつです。
怪我や病気などで長らく第一線を離れていたが、復活し、活躍した選手に与えられます。
この賞は毎年受賞者がいる賞ではなく、パ・リーグは2005年の制定以降受賞者はいません。
セ・リーグは2005年以降、以下の5名の選手が受賞しています。
・平野恵一(元阪神、2008年)
2006年の胸部軟骨損傷、右腰肉離れ、手首・右股関節捻挫などの怪我からの復活が讃えられました。
・大竹寛(当時広島、現巨人、2012年)
この年、右肩の故障から復活し、自己最多の11勝をマークし、オールスターにも出場しました。
・館山昌平(ヤクルト、2015年)
2014年に右肘手術を2度受けた翌年、3ヶ月で6勝をあげ、チームのリーグ優勝にも貢献しました。
・岩瀬仁紀(中日、2017年)
2014年の左肘の故障から復活し、2017年シーズンは中継ぎとして50試合に登板。この年の成績は3勝6敗2セーブでした。
・松坂大輔(中日、2018年)
2015年、3つの手術を受けその後2年は思うような結果が残せなかったものの、中日に移籍後の2018年は6勝4敗と好成績を残しました。また、2018年はオールスターにも出場しました。
このように、カムバック賞受賞者は大きな手術をし、復活までに多くの時間を要した選手に贈られる傾向にあることがわかります。
記者投票で決めるタイトルもある
今回ご紹介したタイトルは、記者投票により受賞者が決定するものが多い、というのが分かります。
つまり、数値化された成績により受賞者が選出される最多勝利数や最多本塁打のタイトルと違い、明確で客観的な指標がないということです。
明確な選考基準がなく、あやふやだと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、投票により、選考が行われるので公平性のある選考であると言えるでしょう。
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